第十六話―復活の千手柱間
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はっきりと思い出した。
アシュラは更に柱間に語りかける。
「里で生まれ,育ち,そして未来を背負って立つ,子孫や若者たちのためだろ?……俺だって同じさ。何度も迷った。血の繋がった実の兄貴と何度も殺し合いに近い戦いをして,結果的には半ば兄貴を蹴落とす形で忍宗を継いだ。兄貴は俺よりずっと優秀だったしな……俺が兄貴を差し置いて忍宗の後継者になって本当に良いのかって悩みもあった。でも……」
アシュラは,今や何の迷いもない様子で話を続ける。
「……今こうしてお前を,お前たちを見て,俺の心には一切の後悔も無い。俺が継いだ忍宗がこうしてたくさんの弟子や子孫たちに受け継がれ,今まで立派に育ってくれたことを,俺は心から誇りに思う。お前もいつか,立派に成長した若き後輩たちを見て『自分の判断は間違っていなかった』と思える日がきっと来る。だから今は……」
柱間を見据えるアシュラの表情は穏やかだ。
「……迷うな。己の決めた道を信じて突き進め。」
「……!!」
その時……
グイッ
誰かが柱間の手を引っ張った。
「……?」
つい先ほどまで薄暗かったはず空間が,いつの間にか随分と明るくなっている。
手を引っ張る方向に柱間が目を向けると,ずっと探し続けていた一点の光がそこにはあった。
「おじーさま?」
「ツナ!?お主なぜここに……」
不思議そうな表情で柱間を見上げるのは,愛しい孫娘だ。
「何してるの?」
柱間の"迎え"が来たのを見て,アシュラは笑顔で語りかける。
「見ろ,すぐそこにあるじゃないか……お前が守るべき未来が。」
「いこう?おじーさま。」
綱手はしきりに柱間の手を引っ張り,戻ってくるように催促する。
「ツナ……。」
「さあ,もう長話もしまいだ。みんな待ちくたびれているみたいだぞ……早く行ってこい。」
自分の役割はここまでだとばかりに,アシュラは柱間に最後の言葉をかけて送り出す。
柱間は一度アシュラの方へ視線を向けてから,この先の里を担っていく,今は幼き未来を再び見る。そして,しばし目を閉じて沈黙した後,意を決したように口を開いた。
「アシュラどの……かたじけない。」
――
パチ……
「おじーさま。」「あなた!」「火影様!」「火影様!」
ゆっくりと目を開けると,周囲から自分を呼ぶ声が次々に聞こえてくる。
「ツナ……ミト……皆……ワシは一体……」
目覚めたばかりで未だに視界がぼやけている中,自らを取り囲む人々を柱間は何とか認識する。
「ずっと眠っておられたのです。マダラとの戦いで傷付き……。」
「マダラ……そうか……そうであった。すまぬ,皆……心配をかけたようだな……。」
長い眠りにつ
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