第三章
[8]前話
「買ったの」
「そうなの」
「ただヨーヨーもチェーンも使わないわ」
持っていてもというのだ。
「私喧嘩はしないから」
「あくまでファッションね」
「ええ、それだけだから」
こう言うのだった。
「それだけよ」
「あくまでファッションってことね」
「そう、しかし何でなの?」
リーファは悠に問うた、かなり急な感じで。
「昔の日本の不良って服の丈長かったの?」
「応援団真似たかもね」
悠は自分達の学園には今もある彼等から話した。
「応援団って詰襟で長ランでしょ」
「皆そうよね」
「あれは挨拶する時に深々と頭下げて」
そうしてというのだ。
「その時にお尻が見えない様にね」
「服の丈が長いの」
「学生服のね、そうみたいよ」
「そうだったのね」
「それで髪型は昔のアメリカで」
そちらの話もした。
「リーゼントとかパーマはね」
「あちらの影響ね」
「お洒落でね、マスクは何でかわからないけれどこれもお洒落で」
不良のそれでというのだ。
「してたみたいよ」
「そうなのね」
「昔は昔でね」
それでというのだ。
「そうした格好だったのよ」
「そうだったのね」
「今はアメリカのストリートにいる様な」
「ああした感じね」
「そう、不良の恰好にも元と流行があるのよ」
「成程ね、スカートが長い理由もわかったわ」
リーファは自分が今穿いているセーラー服のそれを見て頷いた。
「こちらもね、ただ不良の服はよくても」
「それでもなの」
「ブルマは嫌ね」
「それ私もだから。あれはないわ」
「うちの体操服にもないしね」
「それじゃあね」
こちらの服にはこう話してリーファも着なかった、だがそれから暫く彼女は昭和の不良のファッションを続けた。そしてそれが学園の海外から着ている生徒達の間で密かなブームとなったのはまた別の話である。
日本の不良 完
2022・1・19
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