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レーヴァティン
第二百三十六話 熊鍋その十一

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「普通に獲れても毒があるとな」
「厄介だな」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「そうしたことを行ってな」
「害がない様にするか」
「そうしたい、これからはな」
「政としてだな」
「その様に進めたい」
 こう言うのだった。
「俺はな」
「そういうことだな」
「あと大阪では河豚にあたる者は稀だが」 
 この浮島ではそうした状況だ。
「下関や博多でもな」
「西国ではそうだな」
「しかし江戸ではな」
 そちらではというのだ。
「どうもな」
「時折あるな」
「最近目立つ」
 その河豚にあたる者がというのだ。
「これがな」
「知っているかどうかでござるな」 
 智が言ってきた。
「これは」
「河豚についてか」
「そうだ、河豚はだ」
「毒があるだけに」
「どうしてもだ」 
 この魚はというのだ。
「知識もひつようだが」
「経験もでござるな」
「長年蓄積されたな」
「食べ方の経験がでござるな」
「それが必要でだ」
 それでというのだ。
「大坂等にはあるが」
「江戸にはでござるな」
「江戸は河豚を食べはじめたばかりだ」
 この地域ではというのだ。
「だからな」
「河豚を食べる習慣が浅く」
「それでだ」
 その為にというのだ。
「どうしてもな」
「知識があっても」
「まだしくじる者が多く」
「それで、でござるな」
「あたる者がいる、起きた世界での大坂ではな」
 江戸時代は幕府は河豚を食べることを禁じていた、だが幕府の目の届きにくい地域である大坂ではわりかし食べられていたのだ。
「長年の経験がありな」
「あたる者もでござるな」
「少なかった」
「そうでござるな」
「だから公に食える様になってもな」
「あたる人は少ないでござるな」
「知っていてだ」
 そのうえでというのだ。
「経験も蓄積されていてな」
「犠牲者が少ないでござるな」
「経験は大事だ」
 まことにというのだ。
「食うにあたってもな」
「それであたる者もいなくなる」
「伊藤博文さんも食った」
 その河豚をだ。
「下関でな」
「あたるかも知れなかったです」 
 謙二が言ってきた。
「実は」
「そうだったな」
「しかし調理をする方も」
「そうさせない自信があった」
「知識に加えて」
「経験もあった」
「それも本人だけでなく」
「代々のな」
 そうであったというのだ。
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