五十六 逃げ水
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寸前まで此処に、飛段と白フードがいた証拠だった。
呆然と立ち竦んでいたシカマルは、己の握り拳をそっと開く。
其処に残されたライターに視線を落としながら、どこか頭に引っかかっていた既視感の正体をシカマルは導き出した。
思い出すのは、中忍本試験前。
木ノ葉病院に入院していた想い人。
波風ナルの病室からリーの病室へ向かったソイツを尾行して、そして…──
(…まさか、)
あの時も己の【影真似の術】を弾かれた。
身体を動かす主導権を握られているにもかかわらず、身体の自由が利かないはずなのに、冷静だった人間。
弾き出された答えを口には出さず、シカマルは代わりに天を仰ぐ。
ナルと同じ瞳の色に似た青天白日と呼べる空。
同時に、脳裏に思い描いている白フードの正体…その双眸とも似ている色。
空は変わらず、見事なまでに晴れ渡っていた。
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