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ペルソナ3 迷宮の妖女
後編
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女も。」
『彼』が改めてエリザベスを見ると、彼女は薄い笑みを浮かべてうなずいた。
「さ、長居は無用です。あなたのいるべき場所に帰りましょう。」
「・・・わかったよ。よろしく頼む。」
「はい。こちらに。」
エリザベスの指し示す先には、いつの間にかベルベットルームの扉が出現していた。

『彼』が気がかりを残したまましぶしぶ扉をくぐり抜けると、その目の前にいた真田にいきなり両肩をつかまれた。
「何をやっていたんだ。遅いぞ!」
真田が怒鳴る。
いきなりのことで状況がわからず返答に窮していると、
「帰ってきた・・・良かった〜。どこに行ったのか見失ってしまって、すごく心配したんだから・・・。」
と風花が半泣きの状態で声を上げた。その隣りでは ゆかり が目を潤ませている。
見ればメンバー全員が、『彼』を取り囲むように集まって安堵の表情を浮かべていた。これが『彼』の仲間達なのだ。
「ともかく時間が無い。話はあとだ。急げ!タルタロスから出るぞ。」
どうやらこちらではほとんど時間が経過していなかったらしい。
話す暇もなく、美鶴の掛け声に追い立てられて全員で外に向かって駆け出した。
なんとか校門までたどり着いて息を弾ませながら振り向くと、タルタロスがみるみるその形を変えて小さく折りたたまれていき、やがていつもの月光館学園の校舎に戻っていった。
影時間は終わったのだ。
見上げれば空には満月が間近に迫った丸い月が美しく輝いていた。その輝きは彼女の金色の瞳を連想させた。
(彼女はあの城で王子様を探し続けているのか・・・。果たして王子さまは現れるのだろうか。)
そして雪子の部屋で見たカレンダーを思い出した。
2年後・・・天城屋旅館・・・。
(もしかするとこの戦いが終わって、2年後に本物の雪子に会いに行けば、その答えがわかるのかもしれない。)
その名の通りに雪のように白い顔を脳裏に浮かべながら、『彼』は仲間と共に暗い夜道を歩きだした。
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