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ペルソナ3 迷宮の妖女
後編
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待ってろヨ!】
彼女は妖しい笑い声を上げながら、城の中へと駆け込んでいった。
『彼』は状況についていけず、それをただ見送ることしかできなかった。

(しかし・・・彼女がシャドーなら、彼女の本体である本物の雪子がどこかにいるはずだ。)
しばらくして、そこに思い当たったところで我に返った。
慌てて彼女の後を追おうとした時、背後から『彼』を呼び止める者があった。
驚いて振り返ると、そこにいたのは全身青い服に大きな本を抱えた銀髪の美女だった。
「エリザベス! なぜここに?」
「あなたが異界に迷い込んだご様子でしたので、お迎えに上がりました。」
エリザベスが丁寧にお辞儀をする。
「思わぬ事態に私も驚きましたが、これもきっと必要なことだったのでしょう。お役目ご苦労様でした。」
「いや、まだ終わっていないよ。あのシャドウをなんとかしないと、どこかにいる本物の彼女が元に戻れないはずだ。」
『彼』はエリザベスに詰め寄った。しかしそれでもエリザベスは落ち着き払った様子で言葉を続ける。
「そうですわね。でも、ここから先はあなたには関わりのない事。あなたのお役目はここまでございます。」
「それじゃあ彼女はどうなる?」
「さあ? 私にはわかりかねます。私の務めはあなたを元の世界にお戻しすること。」
「でも・・・」
(役目を終えたと言われても、自分はただ あの妖しい存在 を目覚めさせてしまっただけだ。どうすべきだったのかはよくわからないが、事態を悪化させただけのようにしか思えない。)
『彼』は気が治まらず、再び振り向いて城の様子を見る。彼女が駆け込んだ城は、いつの間にか城門を閉ざしていた。何者をも拒むような堅牢な城だった。簡単には中に入れそうもない。
「もう少し早く気づけていれば・・・。まさかシャドウがあそこまで人間化するとは思わなかったんだ。これまでは怪物化したシャドウしか見たことが無かったから・・・。」
『彼』は無力感にさいなまれて声を漏らした。
それを見かねたようにエリザベスが口を開く。
「ここは彼女の内面が作り出した場所、こういう場所だからこそできることなのです。これだけのことができる資質があれば、彼女は自分のシャドウを制御することもできるかもしれません。」
「制御されたシャドウって、それはペルソナなんじゃ・・・。つまり雪子にはペルソナ使いの素質があるということ?」
「それは、あの方がシャドウを自分の一部として受け入れられるかどうかにかかっています。
一つだけお教えしておきましょう。いずれまた別の役割の方が、彼女の元を訪れます。その先どうなるかは私の姉が見届けることになるでしょう。
そして、私が見届けるべきあなたには、あなたの自身の役目というものがあります。あなたが自分の役目を果たさなければ全ては終わりとなります。もちろん彼
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