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イベリス
第三十七話 完成させることの大切さその十

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「午後からアルバイトあるの」
「そうなのね、じゃあ今でね」
「ええ、お話していい?」
「いいわよ」  
 愛は咲に笑顔で答えた。
「それじゃあね、どんな漫画を描きたいかよね」
「ここに来る時にラインで連絡した通りね」
「それね、もうそれは閃きよ」 
 愛は咲に笑顔で話した、二人は愛の部屋に入って向かい合って座って紅茶を飲みながら話をしている。
「それでね」
「描いたらいいの」
「別に編集者さんから描いて欲しい作品頼まれてないでしょ」
「もう自分が描きたいものをね」
 咲は愛にも答えた。
「描いてねってね」
「言われてるのよね」
「そうなの」
「だったらね」
「もう自分が描きたいものをなのね」
「描いたらいいわ」
 こう言うのだった。
「それでね」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「咲ちゃん自身に聞くのよ」
「私自身に?」
「そう、何を描きたいか」
 このことをというのだ。
「聞いてね」
「そうしてなの」
「描いたらいいわ」
「私自身に聞くのね」
「何を描きたいかね」
「それで描いたらいいのね」
「そうしてね」
 咲の目を見て彼女に告げた。
「私があれ描いてこれ描いてとかじゃないから」
「私が描きたいものを」
「それをね」
 まさにというのだ。
「描いたらいいわ」
「そうなのね」
「まあ〆切あるっていうし」
「その〆切のことを考えて」
「私自身に聞いて」
「そうして考えてね」
「ううん、私自身ね」 
 咲は母の言葉も思い出しつつ愛の言葉についても考えて述べた。
「お母さんは閃きって感じだったけれど」
「私も近いかもね」
「私自身が一番描きたいものね」
「もう咄嗟に思い付いたものでもね」
「いいのね」
「ゴッホなんかもう思いつつままによ」
 この偉大な画家はというのだ。
「描いていったしね」
「あの人の絵って多いのよね」
「千点位あるわよ、死ぬ間際位から評価されだしたらしいわ」
「死んでからじゃなくて」
「そう、凄い絵だってね」
 浮世絵の影響を受けてとのことは有名である、その斬新で鮮やかな色使いにゴッホは感銘を受けたという。
「言われだしたの」
「そうだったのね」
「それでゴッホも自分の描きたいものをね」
 そうした絵をちうのだ。
「描いていたのよ」
「そうだったのね」
「だからね」
 それでというのだ。
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