第六百四十六話 最後はカレーその十一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「軋轢があって差別といっても」
「差別あるわよ、あちこちに」
「法律での保護は認められていますね」
「当たり前でしょ」
ナンはそれはと答えた。
「それは」
「左様ですね」
「あの、何だかんだ揉めてもね」
「同じ連合市民だ」
アルフレドも言った。
「法律で扱いに違いがあるか」
「差別法律で定めたら大変よ」
ジュリアも言った。
「どんな学校にも行けて働けてお給料貰えてね」
「そして選挙も出られて投票出来る」
アルフレドは参政権のことも話した。
「当然のことだ」
「そんなの誰も否定しないわよ」
「しかしマウリアは違い」
セーラは彼等にこのことを話した。
「法的にです」
「そうか、アウトカースト層はな」
アルフレドはセーラの言うことを理解して応えた。
「法的にもな」
「完全にです」
「除外されていたな」
「差別そして区別でもなく」
「除外だな」
「そうなっていて人間としてもです」
「扱われていなかったな」
「そうでした、ですから」
そうした事情があるからだというのだ。
「連合の差別の比ではないです」
「そうだな」
「連合では差別は辛いですが」
そうした風に感じるがというのだ。
「マウリアでは絶望と飢餓です」
「その両方か」
「それ故にです」
「あの人もか」
「そしてアウトカースト層全体がです」
「餓えていてか」
「怨念の様にです」
その域でというのだ。
「求めています」
「自分達の立場をか」
「虐げられている立場からの解放と」
それにというのだ。
「逆に自分達がです」
「あれ?支配者になる?」
ジョルジュは眼鏡の奥の目を顰めさせて言った。
「そういうこと?」
「はい、そして今度は自分達がです」
「虐げるの」
パレアナが聞いた。
「そうなの」
「カースト層の上に立ち」
逆にというのだ。
「自分達は支配し虐げる」
「そうなることを考えているの」
「長年そうであった復讐も」
「考えているの」
「その一千億のアウトカースト層を代表して」
「あの人は餓えていて」
「ヒトラーの様にです」
まさにというのだ。
「なろうとしています、ただ民主政治はです」
「壊さないのね」
「それは絶対です」
ジャバルもというのだ。
「そこは安心していいです」
「そうなのね」
「そして独裁者にもなりませんが」
「じゃあいいって訳じゃないのね」
「あの人はマウリアのこととです」
祖国の国益と合わせてというのだ。
「アウトカースト層のことを考えています」
「そう言うと聞こえはいいけれど」
「この二つは一つになっていまして」
そうしてというのだ。
「その上でアウトカースト層がどうか」
「そう考えていて
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ