第二百三十六話 熊鍋その五
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「男はだ」
「興味ないのう」
「一切な、ただ」
それでもと言うのだった。
「禁じることはな」
「せんのう」
「確かに趣味ではない」
英雄はこのことはまた言った。
「全くな、だが悪いことは」
「人それぞれの嗜好ぜよ」
「だからだ」
「禁じることはせんのう」
「悪いこと間違っていることとはだ」
その様にはというのだ。
「思わずそう言われてもな」
「悪いだの間違っているだの」
「俺にはわからない」
「この浮島でもそうじゃのう」
「西の浮島でもそうだった」
あちらでもというのだ。
「キリスト教では否定的だったが」
「強くなかったのう」
「別に倫理に問われることはな」
それはというのだ。
「なかった」
「この世界のキリスト教ではそうぜよ」
「否定的だがな」
「まあ楽しんでいてもな」
「それが乱れていないとな」
そうでない限りはというのだ。
「教会も言わない」
「そうじゃな」
「それでいい」
英雄はこうも言った。
「同性愛を禁じてもそれでもな」
「嗜好はどうしようもないぜよ」
「そうだな」
「だから禁じても」
「それを行う者は後を絶たない」
「それを罪としても」
「何が問題か」
同性愛がというのだ。
「俺は理解していないし理解しようともだ」
「思っとらんのう」
「俺は男に興味がなくともな」
性的な意味でそうであってもというのだ、兎角英雄はそちらは女だけで男をそうした風に見ることはないのだ。
だからだ、今もこう言うのだ。
「それを否定することはな」
「ないのう」
「絶対にな」
それはないと言うのだった。
「法にそれはない」
「それでいいぜよ」
当季もそれならと笑顔で応えた。
「そんなの何が悪いぜよ」
「そうだな」
「だからいいぜよ」
絶対にというのだ。
「このままで」
「同性愛についてはな」
「というか何故禁じるのか」
紅葉も肉を食べつつ怪訝な顔で述べた。
「理解不能ですね」
「やはりそうだな」
「日本人としては」
「そうした好みだな」
「そういうことで」
それで済んでというのだ。
「それ以上のものは」
「ないな」
「気持ち悪いという人もいますが」
「やはりそれまでだな」
「我が国では昔からあり」
「この浮島でもな」
「普通にあります、誰でもです」
それこそ好みでというのだ。
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