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レーヴァティン
第二百三十六話 熊鍋その四

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「もう今夜はな」
「そうか、では今夜も楽しもう」
「その表情でやな」
「表情と好みは別だ」
 英雄は耕平に笑わずに答えた。
「だからだ」
「夜は楽しむんやな」
「この顔のままな」
「そやねんな」
「俺は英傑が色を好むとは言わない」
 それはないとだ、英雄は述べた。言いつつ鍋の中のものを食べているが今は椎茸や舞茸を食べている。
「誰でもだ」
「そうしたことはやな」
「好きだ、何でも歳を取ればこちらも衰えるというが」
「今はやな」
「毎晩な」 
 それこそというのだ。
「楽しめる」
「自分はそやな」
「そして他の者もな」
「好きやっていうんやな」
「それが女色でも男色でもな」
 相手に限らずというのだ。
「嫌いな者はだ」
「おらんっていうんやな」
「俺はそう考えている」 
 実際にというのだ。
「嫌いな者なぞな」
「おらんか」
「そうだ、これは食欲そして睡眠欲と同じだ」
「生理的欲求やな」
「この二つが嫌いな者なぞいない」
 英雄は断言した。
「どちらも生きる為に必要だからな」
「それでそちらのこともやな」
「こちらは生きる為でなく」
 そうでなくというのだ。
「種を残す」
「そうした欲求やな」
「それもまた生理的なものだからだ」
 それ故にというのだ。
「嫌いな者なぞだ」
「おらへんか」
「それこそ悟りを開かないとな」
 そこまで至らなければというのだ。
「ない」
「それ言えばまさに誰もがぜよ」 
 当季は酒を飲みつつ笑って話した。
「好きぜよ、まあ悟りを開けば」
「それならだな」
「流石に違うにしても」
「悟りを開くなぞは」
「まっこと難しかぜよ」
 そうしたものだとだ。当季は言い切った。
「あんな難しかものはないぜよ」
「俺もそう思う」
「そうじゃのう」
「そして俺は別にだ」
「悟りにはじゃな」
「興味はない、だからな」
「このままじゃな」
「そちらも楽しむ」 
 女のこともというのだ。
「そうする」
「そうするか」
「そして今夜はおそらくな」
「羆の肝も食ったから」
「それでだ」
 その為にというのだ。
「実際にな」
「かなりじゃあな」
「行うことになるな」
「そうじゃな」
「ただ俺は女は好きだが」
 英雄はこうも言った。
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