第十話 性欲は誰にもその五
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「もう強烈に、だからね」
「拒否反応示すわよね」
「もう絶対に嫌」
「そこまで言う子いるからね」
「男の子も女の子も」
「宗教が関係するからね」
富美子はそれが何故かも話した。
「だからね」
「それは仕方ないわよね」
「どうしてもね」
「宗教のことになると」
「どうしてもね」
「そうなのよね、日本では絶対に罪にならないけれどね」
同性愛ではだ、事実日本の歴史で同性愛自体が罪とされそれに問われた者は一人も存在していない。
「別に」
「ザビエルさんがある殿様に怒ったのよね」
かな恵は日本に最初にキリスト教を伝えたことであまりにも有名な人物の名前を出した。
「日本では同性愛が普通だって」
「そうだったの」
「ええ、素晴らしい国だけれど」
このことは認めるが、だったのだ。
「もうね」
「同性愛が普通で」
「それがとんでもない悪徳だって」
その様にというのだ。
「殿様に言ったの」
「そんなことがあったの」
「そうしたらその殿様カンカンになったらしいわ」
この殿様は大内家の大名であった。
「自分も、だったから」
「それは怒るわね」
富美子も聞いて納得した。
「やっぱり」
「そうよね」
「昔のキリスト教では死刑だったっていうし」
「そうらしいわね」
「ザビエルさん真面目だったそうだし」
それ故に当時極めて危険な船旅を経てまでして日本に来たのだ。
「怒るわね」
「そうなるわね」
「ソドムとかゴモラよね」
留奈はこの二つの街の名前を出した。
「同性愛って」
「ゲームとかによく出て来る名前ね」
かな恵はこう返した。
「どっちも」
「ええ、それでね」
「そのソドムとゴモラで同性愛が普通で」
「神様が怒って」
「どっちの街も焼いたのよね」
「聖書だとね」
「だったら」
理虹はそれならと言った。
「日本なんて」
「もう日本全体がよね」
「神様の雷が落ちるわね」
「そうよね」
かな恵もそれはと頷いた。
「そうなるわね」
「どう考えてもね」
「同性愛で神罰下るなら」
「昔の日本なんてね」
「もうどうなるか」
「日本全土焼野原よ」
「神様の雷で」
そうなるというのだ。
「もう後には何も残らない」
「そこまでやられるわね」
「織田信長さんなんかどうなるか」
「武田信玄さんだって」
「幾ら同性愛には興味がなくてもね」
かな恵は腕を組み困った目で口をへの字にさせて言った。
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