第十話 性欲は誰にもその四
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「そうね」
「その頃でね」
「結婚していたから」
「だからね」
「十五歳で子供産むのも」
「あったわね」
「織田信長さんだって十六で結婚してたし」
帰蝶、濃姫と呼ばれている彼女とだ。斎藤道三の娘として有名でありその没年は色々言われているが関ヶ原の前年という説が有力か。
「それじゃあね」
「十五歳で子供も」
「ありね」
「昔は」
「武田信玄さんは十三歳だったかしら」
一華は彼の名前を出した。
「確か」
「信長さんより凄いわね」
「それで結婚した年に子供出来たけれど」
「うわ、十三歳でもうお父さん」
「奥さんが亡くなって」
妊娠したままそうなったというのだ。
「残念ながらね」
「そうだったのね」
「凄いわね」
「確かね」
かな恵は一華に考える顔になって言った。
「信長さんもだけれど信玄さんも」
「信長さんも?」
「二人共同性愛もね」
「ああ、あの頃は普通だったわね」
「そっちもだったわね」
「そうだったのね」
「他には謙信さんも政宗さんも」
彼等もというのだ。
「そうで江戸時代でもね」
「新選組もあったのよね」
一華は幕末の剣の華を象徴する彼等の名前を出した。
「近藤勇さんが手紙で書いていたそうよ」
「同性愛があったって」
「近藤さんはその趣味なかったみたいだけれど」
「それでもなの」
「本当に当時は普通で」
「新選組でもだったのね」
「そうみたいよ」
こうかな恵に話した。
「それで十代の男の子同士でも」
「そうしたことあったの」
「こっちは子供は出来ないけれど」
同性愛では無理なことである、とはいっても男が子供を産むこともごく稀だがそうした話があるという。
「昔はね」
「あったのね」
「そうしたこともね」
「いや、普通にね」
富美子はここまで聞いてこう言った。
「同性愛はね」
「ちょっとない?」
「否定しないけれど」
かな恵にどうかという顔で話した。
「私としてはね」
「そうした趣味ないのね」
「全くね、女の子同士でも」
それでもというのだ。
「ないわ」
「富美子ちゃんはそうなのね」
「というか皆もでしょ」
富美子はかな恵だけでなく他の三人にも問うた。
「女の子同士、レズはないでしょ」
「それはね」
「やっぱり付き合うなら男の子よね」
「キスとかもまだだけれど」
一華、留奈、理虹もこう答えた。
「同性愛はいいわ」
「興味ないわ」
「というか否定しなくても私自身はないわ」
「そうよね、外国から来てる子なんて国によってはね」
それこそとだ、富美子はこうも言った。
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