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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてウィステリアは、結成する
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陽師と名乗ってはいた。
しかし相手は成人男性十数人。
未成年の女性一人だけでどうにかなる相手じゃない。
「最初は嘘かと思った。でもね、その後調査を続けて本当だと信じざるを得なかった。」
そういい、ソフィーはあるものを見せる。
「元々奴らのアジトだったんだろう。地下にあるBARが血まみれになってて、壁にこれが貼り付けられてた。」
「…!!」
ソフィーが見せたのは一枚の御札。
それは、以前森川真誉が訪れた際に見せてくれたものと、まるで同じものだった。
そして
「なにこれ…?」
「さながら記念写真…だろうね。」
共に貼り付けられていたのは一枚の写真。
転がる死体達をバックに、満面の笑みの森川真誉が例の特徴的な御札を持っている。
無論、もう片方には人形を抱えていた。
「彼女の実力は本物と見ていい。ただね、彼女はあまりにも危険な存在なんだ。」
持っていた御札をグシャリと握り潰すと、ソフィーはあたしに言った。
「ともかく、彼女を見かけたらボクを呼んで。すぐにかけつけて退治するから。じゃないとこの世界は、呪いと死に溢れ、今よりずっと酷いものになる!」
「いや、何を言ってるか全然」
「彼女は危険だ!!キミはあの子に会っているんだろ!?だったら次はキミが呪われるかもしれない!殺されるかもしれない!そう考えられるほどに危険なんだ!!」
と、危機迫った感じのような表情で言われれば、思わず納得せざるを得なくなる。
「うん、分かったよ…。」
「気をつけて。なるべくキミや紫式部さんには害が及ばないよう、ボクとへカーティアで片付けるから。キミ達はレッスンに集中してて。いいね?」
そう言い、ソフィーは見回りに行くといって図書館から出て行った。
「…。」
月の見える窓を見上げる。
森川真誉という少女は、そんなに危険なのだろうか?
ソフィーが何を見、何を感じたのかは知らない。
あたしはあの子を見て何とも感じなかったし、怖いとも思わなかった。
しかし、あの写真…。
死体を前にあんな笑顔で写真が撮れるんだ。
異常なのは確かなんだろう。
「さむ…。」
なにかぞくりとした寒さのようなものを覚え、腕をさする。
ともかくアイドル対決までもう少しだ。
ここいらで気合を入れ直し、改めて頑張らないといけない。
「森川真誉がどうこうよりも、その前にあたし達は、図書館がどうにかなっちゃう危機を何とかしないとなぁ…。」
そう呟き、あたしはレッスンルームへと向かうのだった。
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