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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてウィステリアは、結成する
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ギュッとその目を瞑り、まるで見たくないとでも言うかのように。
「あれは…危険です。心の中に渦巻く恐ろしいものが見えました。」
「恐ろしいもの…?」
「生かしていてはならない。何をしでかすか分からない…。彼女は滅びを望んでる。この世の何もかもを恨み尽くして、全てを呪い殺すほどに…。」
そういえば、あの女の子に会ってからさとりは黙ったままだった。
話さないのではない。話せなかったんだ。
あの子の心の中を見て、恐怖を抱いていたから。
「あの子が…?」
あんな人畜無害そうな子がそんなことを考え、実行しようとしている…?
最初は信じられなかった。
けど、さとりがここまで怯えながら言うんだ。
きっと本当に違いない。
「大丈夫?もう帰ってていいよ。」
「ええ…ではお言葉に甘えるといたします。」
これ以上の行動は無理だろう。
そう判断し、ソフィーはさとりを幻想郷へと帰還させる。
「…へカーティアに報告しよう。それにまだ何かあるかもしれない…!」
さっきまで不思議かつ穏やかな雰囲気の漂う廃墟だったが、彼女と会って寒気を感じてからは何やら不気味で薄ら寒い。
だが、まとわりつく恐怖を振り払いソフィーは調査を続けることにした。
?
「んーっ、つかれたぁ…。」
あれから。
香子とあたしの自主練は日が暮れても続き、満足する所まで行ったあと、あたしはこうして湯船に浸かってうんと身体を伸ばしている。
ちなみにここは葵紫図書館に併設された大浴場。
2人で入るにはあまりにも広すぎる場所であり、シャワーだっていくつも付けられていたりとこれはもはや銭湯だ。
けど、こんなところを2人きりで貸し切られるというのは最高の贅沢かもしれない。
運動して思い切り汗をかいたのなら尚更だ。
「葵様も、だいぶ歌が上手くなって参りましたね。」
隣に寄り添う香子が、そんな私を見てそう話した。
「香子もね。足取りもけっこう良かったよ。リズムにだって追いつけてたし、順調じゃん。」
「いえ、葵様に比べれば私なんて…。」
言葉の続きを紡ごうとしたが、人差し指を唇に当てて遮る。
「…あ、葵様?」
「そういうことは言わない。あたしと香子、2人でアイドルになるんだからさ。自分のことは下げずに互いに褒めあっていこうよ。」
「…そう、ですね。失礼しました。」
手はそのまま、ゆっくりと香子の顎へと添える。
「葵様?」
「疲れてるでしょ。それに、シてないなぁってのもあって。」
香子もそれは察してる。気付いてる。
その気になれば私の手を払うことも出来るのに、それはしない。
「ソフィーもまだ帰ってきてないみたいだし。ここにはあたしと2人きりなんだからさ。」
横を向かせ、
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