封印の場所
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は、拒否するという心情を隠すことさえなかった。
「キャスターに何の用?」
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど……いいか?」
ほむらはしばらくハルトを睨んでいたが、やがて「用が終わったらすぐ帰りなさい」と、ドアを大きく開けた。
「ありがとう。お邪魔します」
始めて入る、ほむらの自室。
少し緊張しながら、ハルトは足を進めた。
「ここの住所は、どうして分かったの?」
歩きながら、ほむらは尋ねた。
「まどかちゃんに聞いた。どうしても、キャスターに会わないといけなかったから」
「……前も言ったわよね? 私たちは、あくまであなたの敵よ」
「分かってるけど……でも、今は多分ほむらちゃんにとっても、休戦しなくちゃいけないと思う」
「……そう」
ドアの向こうにある、ほむら宅のリビングルーム。その部屋の中心には、丸いテーブルが設置されている。さらに、そのテーブルを囲むように、半円型の椅子が配置されている。
二層に、合計四脚。さらに、天井にはホログラフなのだろう、無数の絵やグラフが表示されている。
女子中学生が暮らすどころか、生活感すら感じられない。
そして、グラフや資料の中で、ハルトの目を引くものがあった。
「台風情報……? 何でこんなに沢山? まだ二月なのに?」
「キャスター。来客よ」
ほむらは、ハルトの目線に気付くことなく、内側の椅子に腰を掛ける人物を呼んだ。
銀髪の長い髪、ルビーのような赤い瞳が特徴の女性。普段顔に赤い紋様が浮かび上がっている彼女を見慣れているだけに、平常時の素面の彼女は新鮮味を感じる。
ハルトが見知る中でもっとも強力な参加者であるキャスターのサーヴァント。
彼女は、その赤い目でじっとハルトを見つめ。
「……久しぶりだな。ウィザード」
「そうだね。この前の見滝原ドーム以来だから……大体三週間ぶりくらい?」
「……」
キャスターは、静かにハルトを睨む。
やがてキャスターは、彼女の反対側の座席へ手を向ける。
「私に話があるのだろう?」
「ああ……」
ハルトは頷いて、キャスターの向かい席に腰を落とした。
チクタクと時計の音だけが聞こえるほむらの部屋は、ハルトの緊張をより一層強めた。
数秒呼吸を繰り返し、ハルトは切り出す。
「聞きたいことがあるんだ。ムーに関わる話なんだけど」
「ムー?」
キャスターは眉をひそめる。
「あの大陸は、ランサーが破壊した。今更、もう何も語ることなどないはずだが?」
その言葉に、ハルトは首を振った。
「いや。聞きたいことは、ムーと太古の昔に戦った、八岐大蛇についてなんだ」
「八岐大蛇……?」
その単語をハルトが口にした途
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