188 大政の槍
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その機械を頼るのみだ!」
「だが、その機械もまだあと二つあるのだよ!愚か者共!」
ナポレオンは更に言葉を続ける。
「それに私の武器は剣だけではないぞ!」
ナポレオンは懐からバラを取り出した。
「このバラが何を意味するか解るか?」
「薔薇、だと・・・!?」
ナポレオンの薔薇の香りが広がる。
「な・・・!!」
石松達は幻覚を見せられた。懐かしき駿河の街の風景が石松に見える。椎名には己が管轄している横浜の街が、関根には前橋の街が、そしてのり子には祖母が嘗て経営していた小鳥屋の中に見えた。しかし、結界の中にいる者達や、防御特化の武装の能力が働いているかよ子には通じなかった。
「ここが、我々がいた駿河の地!懐かしい・・・」
石松は幻影に浸る。
「まずいぞ!皆惑わされておる!さくらももこ、お主の炎の石でナポレオンの薔薇を燃やせ!」
「う、うん!!」
まる子は炎の石の能力で薔薇を燃やそうと試みた。しかし、ナポレオンの武装の能力の防御が働いて撥ね返されてしまう。その間に騎馬兵や歩兵が迫る。
「奴らが幻に浮かれている間に殺せ!」
「な!」
「山田かよ子!大政の槍の能力を得られるか?」
「大政の槍?」
かよ子は杖の使い方の一節を思い出した。
【槍などに杖を向けた場合、杖を変化させたり、そのまま無数の槍を飛ばす能力を得る事ができる】
「うん!」
かよ子は剣となっている杖の変化を解き、大政の槍に杖を向けた。杖が槍に変化する。
「拙者も援護する!」
次郎長が刀を振るう。そしてかよ子が槍でナポレオンのバラに向けて振るう。無数の金属の槍で攻撃した。
「剣も槍も効かんのが解らんか!」
しかし、ナポレオンの武装の能力の防御が破られた。
「何!?」
「拙者の刀はお主の機械を狙う為に振るった。今、貴様の機械は一時的にではあるが無力化されておる!」
「くう!」
「行くよ!」
かよ子はナポレオンのバラを槍で粉々にした。
「・・・はっ!」
「俺達は一体・・・!?」
惑わされていた者達は幻影の縛りから解放された。
「あとはこれでとどめだよ!」
かよ子は槍の攻撃をナポレオンに向ける。
「それはどうかな?」
ナポレオンはまた別の花を取り出した。
「この娘、斬るぞ!」
「おう!」
「・・・え?」
かよ子は振り向いた。石松達子分がかよ子に襲い掛かる。椎名や関根、そしてのり子も同様に攻撃して来る。
「杖を寄こせ!!」
「え・・・!?どういう事!?」
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