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少女1人>リリカルマジカル
第十八話 少年期@
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土にしてたけど」
「それは、魔法なの? 艦船砲の間違いじゃないかな」

 覚えている限りの詳細を話したが、ないないって言われた。話すにつれ、つい白い魔王様がやってたと言ってしまったが、まぁいいか。隣でアリシアが魔王様に慄いていたけど。

「じゃあ、ディバインバスター」
「なんでさっきから砲撃ばっかり出てくるの」

 俺が知ってる魔法の名前がそれぐらいしかないから。

「だったら、召喚魔法とか幻術魔法とか凍結魔法とか変身魔法とか」
「そのマイナーなチョイスは何!?」

 え、原作に出てきた魔法ってマイナーなの?

「あと確か……、脱げば脱ぐほど強くなる魔法があった気が―――」
「そんな魔法はないからッ!!」

 いやいや、これは絶対にあったって。


「お姉さん、私お空を飛んでいるのが見たい!」
「だから、人が空を飛ぶなんて出来る訳がッ! ……あ、空は飛べるわ。飛べた、うん飛べた。―――もう今なら空を飛んでもいい気がしてきた」
「えっ…」
「お空に向かってびゅーんびゅーん!」

 ちょッ、お姉さん今は空飛ぶの見せなくていいよ!? アリシアも空気を読んで盛り上げなくていいから!! なんかそっちに飛んで行ったら駄目な気がするんだけどッ!?



「アルヴィン、アリシア。ただい……何があったの?」

 プレシアが家の扉を開けた先に見た光景は、背中が煤けているような女性を必死に宥める兄と、「お空に向かって〜」と自作歌を楽しそうに歌う妹。部屋の隅に転がる宝石に、清々しそうにやりきった感を漂わせる猫。

 プレシアは一度目をつぶり、状況について思考する。時間にしてほんの数秒だけだったが、彼女の中で答えは出たらしい。瞼を開け、もう一度その光景を目にしながら静かにうなずいた。

「…………まぁ、ある意味いつも通りの光景かしら」
「えっ…」

 隣で一緒に固まっていた男性局員の声が、廊下に虚しく響き渡っていた。


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