第十八話 少年期@
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られていたことに気付いた。どうしたのかと思い振り向くと、思案したような表情でアリシアがじっとこちらを見つめていた。
「あのね、お兄ちゃん。『かんりきょく』ってどういうところなの?」
「どういう?」
「うん。お母さん、いつもかんりきょくってところに行っているんだよね。お仕事なの?」
そういえば、俺は原作をある程度知っているから特に気にしてなかったけど、俺達はあんまりミッドチルダのこととか世間のこととかに関わってこなかった。子どもが俺達だけだったし、辺境の方に住んでいたから特に意識もしてなかったな。
しかし、あらためて聞かれると返答に困る質問だ。今まで妹がわからないことは教えてきたけど、俺も漠然としか理解していない。確か「次元世界を守るおまわりさん」ってなのはさんが言っていた気がするんだけど…。
そこまで考えて、俺は気付いた。俺の中での認識の食い違い。もしかして、俺は偏見というものを持っていたのではないのかと自問した。俺は本当はわからないことをわかったような気になっていたのでは、と気付かされた。
俺は原作ではこんな感じだった、というイメージだけで納得していた気がする。だけどそれは、この世界で生きる上ではまずいことだ。前世ではイメージだけでよかったものも、今は実際にここで生きている。ならば、その世界のルールをちゃんと知っておかないと致命的な間違いを犯しかねない。
例えばジュエルシード。俺のイメージは変に願いを叶える宝石で、なのはさん達が取り合っていたもの。次元震という災害を起こすロストロギアであることを知っているぐらいだ。それぐらいの氷山の一角しか俺は知らない。
さらに管理局だって、危ないから就職したくないって考えていたけど、本当に危ない仕事しかないのか? 俺が知っているのは、なのはさん達から見ていた管理局の一つの側面だけだったはずなのに。だというのに、俺はジュエルシードも管理局も知った気でいたんだ。
原作知識があることは、必ずプラスになるわけではない。すごいアドバンテージなのは間違いないが、うまく使っていかなければならない。特に俺の場合、穴だらけだから余計気をつけないと。
「えっと、俺も正直よくわかってないんだけど。次元世界の平和を守るおまわりさんで、ロストロギアっていう危ないものを回収してくれるところ……で合ってますか?」
「うーん、間違ってはいないかしら。あとはおまわりさんだけじゃなくて、悪い人に罰を与える法を取り仕切ったり、文化を守ることや救助活動、自然を守ったり、他にもたくさんやっているわね」
『あとロストロギアは全てが危険という訳ではなく、危険度が低いものはオークションなどで売られることもあるらしいですよ。ロストロギアの定義もつまり、高度な文明の遺物という感じですしね』
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