ハーケン会戦〜王国義勇兵団「白隼隊」〜
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人達は新たな通信を始めた。
「元帥閣下、一体どこに向かうおつもりですか……!?」
指示をした後ブリッジから去ろうとするヴァンダイク元帥の様子に逸早く気づいたレリウス中佐はヴァンダイク元帥に問いかけた。
「レリウス中佐、今からこの艦の指揮は君に任せる。儂はこの混乱による隙を利用し、精鋭部隊を率いてハーケン門の突破を試みる。」
「!?お、お待ちください!幾ら何でも無謀過ぎます!それにわざわざ地上からの突破よりも、この艦で空からの突破を試みた方が成功率が高いと思われます!」
ヴァンダイク元帥がこれからやろうとしている事を知ったレリウス中佐は血相を変えて反論した。
「背後には連合軍と新生軍の戦艦達が待機している上、ハーケン門側も王国軍もそうじゃが、メンフィル軍の戦艦も新型のステルス装置でまだ姿を現していない可能性が十分にある事を考えるとむしろ、空からの突破の方が成功率は低くなる。そもそも、この艦がハーケン門へと向かい始めた時点で背後に待機している連合軍と新生軍の戦艦達がこの艦に対して攻撃を仕掛けてくるじゃろう。」
「そ、それは………!し、しかしそれならば、何故連合軍や新生軍の戦艦、それに王国軍の空挺部隊もそうですが、先程3隻のガルガンチェアを破壊した何らかの存在はこの艦に今まで攻撃を仕掛けてこなかったのですか……!?」
ヴァンダイク元帥の指摘を聞いて一瞬口ごもったレリウス中佐は新たな疑問を指摘した。
「それに関してはあくまで推測になるが、連合がこの艦に同乗している”二人の民間協力者”を把握していた為、この艦に対する攻撃を控えていたのじゃろう。」
「あ…………――――――でしたら、このまま1号機でハーケン門の突破を試みた方がいいのでは……!?」
ヴァンダイク元帥の説明を聞いてある二人の人物達を思い浮かべたレリウス中佐は呆けた後意見をした。
「いや、この艦もハーケン門に向かい始めればさすがの連合軍や新生軍も例えあの二人がこの艦に同乗している事実を把握していたとしても、この艦に攻撃を開始するじゃろう。”敵国に協力している二人の民間人の命”と”戦争の勝敗”を比べれば、どちらを優先するかは明白じゃ。―――それこそ、先程皇女殿下が宣言したように、”リベールに侵攻するエレボニア帝国軍は例外なく一切の容赦をしない”じゃろうからな。」
「そ、それは……………………――――――ならば、元帥閣下ではなく自分に精鋭部隊を率いさせてください!幾ら劣勢とはいえ、そのようなあまりにも成功率が低すぎる作戦を元帥閣下自らが行うべきではありません!」
静かに首を横に振って答えたヴァンダイク元帥の推測に対して反論できなかったレリウス中佐は辛そうな表情を浮かべたがすぐに表情を引き締めて新たなる反論をした
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