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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
招かれし者(西村早苗)
西村早苗の冒険A
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り「ああ、あれは以前この近辺にダムを造ろうという話しが持ち上がったときに私が書いたダムの設計図。だけどダムの建設中に水脈を切ってしまったのか、水が大量に流れ出して辺り一帯が水没してね。結局その計画は頓挫してしまったんだ」

(西)「ええっ?? にとりや他の作業員の人たちは大丈夫やったと?」

にとり「私もそうだけど作業員は全員河童でね、泳ぐことができたから全員無事だったよ。…とはいえ、あんな事故はもうこりごりかな」

(西)「それはとんだ災難やったね…」


そこで(西)は、にとりが興味を惹きそうなものを持っていたことを思い出した。


(西)「そうたい(そうだ)!これ要らん?」


そう言って(西)がポケットから出したのはもう使わなくなった携帯電話だった。古びてはいるが通話性能や画質、音質などは申し分なく、まだまだ現役で使える。
携帯電話を見たにとりの目が輝いた。


にとり「おお、これは香霖堂でも手に入らなかったレア物中のレア物じゃん!本当にもらっていいの?」

(西)「うん、よかよ。どうせもう使わんし」

にとり「ありがとう!何年か前に“電波塔”なるものが幻想入りしてきてね。電話を持てば電波塔を通じて遠くの相手とも会話できるということがこの前ようやく判ったんだけどさ、いかんせんその電話がなかなか手に入らなかったんだよ。早速これで試作品を作ることにしよう!いやあ、嬉しいなあ??」


にとりは、まるで欲しかったおもちゃを与えられた幼児のように携帯電話を手に入れた感想を嬉々として話している。
『携帯をとっておいてよかった』と(西)はつくづく思った。



ーー
ーーー


(西)「そしたらそろそろ行くね」

にとり「これからどこに行くの?」

(西)「とりあえず山を下る…。今はただそれだけかな」

にとり「気をつけてね…また来なよ。今度は今以上にもっと発明品が増えていると思うよ!」

(西)「ありがとう。じゃあまたね」




ーーー(西)はさらに山を下っていった。


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