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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
招かれし者(西村早苗)
守矢神社にて
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界から来た』と仰いましたよね。実は私たちも外界の出《で》なんですよ」

(東)「へえ、どこから来たと?」

?「信濃《しなの》…。今でいう長野県よ」


背中に注連縄(しめなわ)御柱(おんばしら)を背負い、頭にも注連縄を巻いた女性ーーー八坂神奈子(やさか‐かなこ)が答えた。神奈子は蛇の神様だ。


(西)「私は鳥取県から来ましたが元々は福岡県の出身です。ええと…“因幡《いなば》”と“筑前《ちくぜん》”と言えばお分かりでしょうか?」


大丈夫よ、と神奈子が言った。


(西)「しかし、なぜ幻想郷(ここ)へ?外界(むこう)で何かあったんですか?」

?「いや、ちょっとね…」


神奈子の隣に座っている大きな目玉が付いた帽子を被った少女ーーー洩矢諏訪子(もりや‐すわこ)が言った。神奈子が蛇神なのに対し、諏訪子は蛙の神様である。


諏訪子「外界で信仰が得られなくなってね。神は信仰が得られなくなると消滅してしまうからこれは一大事ということになってーーー」

(東)「こちらに湖ごと引っ越してきたのです。あれがそうですよ」


(東)が指差す先には大きな湖が見えた。太陽に照らされて湖面がキラキラ輝いている。


(西)「なるほど…。信仰は得られたんですか?」

神奈子「まず初めに、妖怪の山の麓にある博麗《はくれい》神社に勧請《かんじょう》(=神仏を奉るよう依頼すること)を呼びかけたのよ。そしたらその神社の巫女や今そこにいる魔法使いがうちに来てそれを断ったの。結局“弾幕ごっこ”で決着をつけることになったんだけど負けてしまってね」

(西)「弾幕ごっこ?」

魔理沙「家で話した“取り決め”のことだぜ。あのときは楽しかったなー」

(東)「そして後日、霊夢《れいむ》さんーーー博麗神社の巫女ですねーーーと話し合った結果ようやく勧請してもらえるようになりました。そのおかげで今は安定した生活が送れている、というわけです」

(西)「そうだったんですね。(この人たちも大変なんやね…)」


『幻想郷の人たちも色々と苦労しているんだなあ。』
(西)はそう思った。



ーー
ーーー


そうそう、と魔理沙が切り出した。


魔理沙「知ってのとおり、早苗は外界人で住む場所がなくてな…。別に私の家で面倒を見てもいいんだが何せあの森の中だ。安全や健康の観点からいってもあまりよろしくないだろう?」

諏訪子「まあ、たしかにね」

魔理沙「そこでいろいろと考えた結果、ここのほうが安全かつ健康に過ごせるのではないかという結論に至ったんだ。……悪いが、ここで早苗の面倒を見てもらっていいか?」

(東)「いいですよ♪こうして巡り会えたのも何かの縁ですし…。ねえ
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