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東方絆日録 〜 Bonds of Permanent.
招かれし者(西村早苗)
守矢神社へ
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現在、早苗は魔理沙と食事をともにしている。ご飯にキノコが入った味噌汁、焼き魚というのが今日の朝食だった。
霧雨家の朝食はいつも和食らしい。魔理沙はパンが苦手らしく、今までにわずか13枚しか食パンを食べたことがないそうだ。
今までに食べたパンの枚数まで覚えているとは…。魔理沙はよほど頭がいいのだろう。
早苗「へえ。魔法使いって食事せんでも生きていけるんかと思っとったけど、実際は違うんやね」
魔理沙「そりゃあそうだろう、私の種族は人間だからな」
早苗「種族?」
魔理沙「ああ、種族というのは…」
魔理沙曰く、幻想郷は人間や魔法使い、吸血鬼、妖怪、妖精、幽霊、神などの様々な種族から成る多民族国家のようなものらしい。微妙な力関係で維持されており、人間以外の種族(特に妖怪)は人間を襲わなければ存在意義を失い、人間も妖怪を退治しなければ存在意義を失う。
つまりそれは幻想郷の消滅を意味するため、「妖怪は人間を襲い、人間はそれを退治する」という関係が古《いにしえ》の時代より続いてきた。
ところが近年、境界の妖怪である八雲紫から食料が提供されるようになると「襲う、退治する」という習慣が形骸化して妖怪たちが力を失い始めた。
そこで幻想郷の消滅を危惧した何名かの妖怪が集まり、事実上の管理人で博麗神社の巫女をしている博麗霊夢《はくれい‐れいむ》に相談を持ちかけて協議した結果、「妖怪たちが異変を起こして人間がそれを解決することにより幻想郷の消滅を回避する」という取り決めが成立したのだという。
早苗「人間と妖怪が共存しとう世界やら今まで聞いたことがなかばい。この幻想郷ちゃ、ゲームかなんかの舞台ね?」
魔理沙「……幻想郷は『幻想郷』という一つの世界だぜ?他はどうか知らんがな」
早苗「ふーん」
※この小説における幻想郷は「原作世界の幻想郷とは違う別世界の幻想郷」という設定です。
魔理沙「ところで、さっきからお前が話している言葉はなんなんだ?半分ほどしか理解できんが…」
早苗「これは博多弁っていう方言なんよ」
魔理沙「博多弁だと?」
早苗は魔理沙に方言や博多弁について簡単に説明する。
魔理沙「ほう、そいつの意味を簡単にでいいから私に教えてくれ。会話ができん」
早苗「よかよ」
早苗は博多弁の基本的な単語やその意味を魔理沙に教えた。
魔理沙「へえ。方言というのはなかなか面白いもんだな」
早苗「話さん人からしたらそうかもしれんね」
魔理沙「ああ、そうだ。お前と同じ名前の奴が神社の巫女さんをしてるんだよ。早苗が行きたいと言うなら連れていってやるが…。どうだ、来るか?」
早苗「よかと?」
魔理沙「いいに決まってるじゃないか」
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