第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
「この波では」
「はい、本当に船に近付くこともかなり難しく」
「船を助けることはとても」
「ですがこのままでは」
「あの船はどうなるか」
「どうすればいいんだ、漁師さんも子供達は助けられないぞ」
苦いお顔になるしかありませんでした、ですが。
船長さんも船に乗っている船員さん達も何とか船を進ませようとしました、海で困っている人達を助けるのが自分達のお仕事だと理解しているからです。
だからこそです、何とか進もうとします。例えそれがとても難しいこととわかっていても。
ですがとりわけ大きな波が来ました、その波が漁船を今にも呑み込もうとしています。
「危ない!」
「子供達もいるんだぞ!」
「どうなるんだ!」
保安庁の船員さん達はその波を見て思わず絶叫しました、そしてです。
思わず手を伸ばそうとした時に。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「この笑い声は!」
「まさか!」
そこにいた人が誰もがこれはと思った時にでした。
お空、漁船の近くのそこに黄金バットがいました。黄金バットはいつもの様に裏地が赤い黒マントをたなびかせ両手を腰の左右にやって仁王立ちしています。
そして右手に先がフェシングのサーベルの様に尖りもう一方の端に宝珠があるステッキのその宝珠の方をです。
海に向かって突き出してそこから電の様なギザギザの金色に輝く怪光線を放ちました。するとそれまで荒れに荒れていた海がです。
嘘の様に静まりました、船長さんはその静かになった海を見て言いました。
「今のうちだ」
「そうですね、今のうちですね」
「今のうちに漁船に向かいましょう」
「そしてそこにいる子供達を救いましょう」
他の船員さん達も頷いてでした。
すぐに船の傍に寄って漁師さんと子供さん達を救出しました、それが適った時にはです。
黄金バットはもういませんでした、何処かに飛び去った後でした。ですが船長さんは黄金バットがいた場所を見上げて言いました。
「また黄金バットが助けてくれたな」
「全くですね」
「黄金バットが波を鎮めてくれたからです」
「子供達を助けられました」
「それが出来ました、
「そう、本当に黄金バットがいてくれたから」
だからだというのです。
「漁師さんも子供達も助かった」
「全ては黄金バットのお陰ですね」
「黄金バットに心から感謝しましょう」
「そうしましょう」
「そうしよう、そしてだ」
船長さんは見んあに言いました。
「漁船は曳航して漁師さんと子供達は船に乗せて」
「港に帰りましょう」
「そうしよう、そして黄金バットの活躍を伝えよう」
笑顔でこう言って港に戻りました、そしてです。
黄金バットの今回の活躍も人々に知られるのでした、突如として現れ姿を消す正体不明ですがと
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ