第六百四十六話 最後はカレーその二
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「主流じゃない」
「そういうことだ、アイヌでもな」
「羆やトドやセイウチはか」
「羆の方はまだ食うはな」
「熊は美味いというな」
「しかしトドやセイウチはな」
こうした生きものはというと。
「然程な」
「美味くないか」
「そう言われていてな」
そうしてというのだ。
「あまり食わない」
「そうなんだな」
「カレーにしてもな」
今自分達が食べている料理の食材にしてもというのだ。
「色物だ」
「そうした扱いか」
「ああ、アイヌ料理にもないしな」
「アイヌ民族の人達の料理か」
「俺達の料理だ」
アイヌ連邦の市民達は自分達をアイヌ民族と言っている、ただし連合なのでかなり混血していることは言うまでもない。
「それにもな」
「ないか」
「だからな」
それでというのだ。
「カレーにしてもだ」
「そんなものか」
「そしてラッコはな」
「食わないか」
「美味いと聞くか」
「毛皮は有名だけれどな」
「それでも肉はどうだ」
今話しているそちらはというのだ。
「あれは鼬だからな」
「その仲間だったな」
「海にいてもな」
それでもというのだ。
「あれは鼬だ」
「鼬はあまり美味くないみたいだな」
「そうだ、だからな」
「ラッコも美味くないから」
「どうもそうらしくてな」
その為にというのだ。
「アイヌでもな」
「ラッコは食わないか」
「むしろラッコの食ってるものの方がいい」
そちらの方がというのだ。
「海胆や蟹、貝、海老、烏賊だな」
「ああ、そういったものの方が美味いな」
ダンも言われて納得した。
「カレーに入れてもいい」
「シーフードカレーだな」
「そちらの方がだ」
「アイヌ人も好きだな」
「琉球でもだろ」
「同じ日系国家抜きにしてもな」
ダンはカムイに答えた。
「それを抜いてもな」
「海の幸が好きだな」
「ああ、今お前が挙げたものもな」
「好きだな」
「大好きだ」
ダンは笑顔で述べた。
「勿論他のものもな」
「そうだな」
「あの、海胆ですが」
セーラはこの食材について言ってきた。
「私は最初食べものとは」
「思わなかったか」
「思えませんでした」
カムイに確かな声で答えた。
「とても」
「マウリアの人はそう言うな」
「はい、とても」
「昔は日本でしか食べなかった」
カムイはそのセーラに話した。
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