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レーヴァティン
第二百三十五話 熊を仕留めその十二

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「俺が好きなのは酒と女だ」
「そうしたものであり」
「茶器や武具はな」
「集めてもでござるな」
「揃えない」
 そうして己のものとはしないというのだ。
「コレクションというものにはな」
「左様でござるな」
「書はそうしてもな」
「一冊でござるな」
「何冊も集めることはだ」
 世の中そうしたことをするマニアも存在する、読書用と保存用を分けてそうして持っているという。宣伝用もあるというからかなりのものだ。
「しない」
「そうでござるな」
「だからだ」
「褒美もでござるな」
「迷わずな」
 そのうえでというのだ。
「与えてだ」
「そうしてでござるな」
「満足させる、いや」
「普通の満足ではでござるな」
「それでは済まさない」
「これ以上はないまでの」
「そうした満足をだ」 
 褒美によってというのだ。
「味わってもらう」
「そうでござるな」
「人は利益を求める一面もある」
 それは確かにというのだ。
「だからだ」
「それで、でござるな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「褒美はだ」
「思いきりでござるな」
「行う、茶器を与えるなら」
「一級ではなく」
「超一級のだ」
 そうしたというのだ。
「その茶器を与える」
「そうしてただ満足してもらうのではなく」
「これ以上はないまでにな」
「そうしてもらう」
「そうでござるな」
「だからだ」
 それでというのだ。
「褒美は考えておく」
「そうでござるな」
「そうする、ではだ」
「それではでござるな」
「送った者達の褒美も考えておく」
 こう言ってだった。 
 英雄は送り出した者達の報と帰還を待った、そして。
 その羆が退治されたことを聞いた、彼はすぐに送り出した強者達に帰還を命じた。それと同時に羆の躯を送る様に告げた。


第二百三十五話   完


                 2021・11・23
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