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麗しのヴァンパイア
第四百十五話

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                第四百十五話  朝のニュースで
 博士は風呂から上がると朝食を摂った、この日の朝食は中華粥にザーサイそれに茶卵というものだった。
 それを食べてだ、博士は言った。
「茶卵もよいのう」
「朝にはですね」
「お粥にじゃ」
 小田切君に答えた、作ったのは料理用ロボットである。
「ザーサイにな」
「それでその茶卵ですね」
「中国のこの朝食もじゃ」
「博士はお好きで」
「食べて満足しておる」
「そうなんですね」
「心地よい朝のはじまりじゃ」
 博士は笑顔で述べた。
「では朝のニュースを観るか」
「昨日巨人カープに五十一対零で負けましたよ」
「おお、今日も負けたか」
「これで二十連敗です」
「相変わらず弱いのう」
 博士はまずはテレビのこのニュースに笑顔になった。
「巨人が弱いとじゃ」
「それだけでいいですね」
「世界が明るくなる」
 そうなるというのだ。
「巨人は負けると全人類の運勢を上げてくれるのじゃ」
「そうなんですか」
「そうしたチームじゃ、だからな」
「巨人が負けることはいいことですね」
「左様、それでわしも出ておるではないか」
 観ればニュースに実際に博士も出ている。
「昨日のことが早速伝わっておるか」
「ヨハネスブルグのことですね」
「七人殺したとな」
「早速世界中で言われてますね」
「何かキャスターがまたかという顔になっとるのう」
「博士いつもそうしてますからね」
 小田切君も朝食を食べている、メニューは博士と同じものだ。向かい合って座ってそのうえで話している。
「もう毎日ですから」
「人を殺してもじゃな」
「皆驚かないですよ」
「交通事故みたいなものじゃな」
「はい、しかも殺すのはドキュンばかりなんで」
 それでというのだ。
「罪には問うても」
「大きく言わぬか」
「はい、紀元前からですしね」
 博士が人を殺すことはというのだ、小田切君は実際に博士に何ということはないといった感じの顔で述べたのだった。


第四百十五話   完


                   2021・10・28
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