暁 〜小説投稿サイト〜
オズのラゲドー氏
第十二幕その十二

[8]前話
「だからだよ」
「ここに残ってなの」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「もっとここの食べものを満喫したいんだよ」
「海の幸をそうしたいのね」
「勿論お寿司もね」 
 こちらもというのです。
「そうしたいんだ」
「そういうことね」
「だからね」
「あんたはここに残るのね」
「そうしたいんだ」
「だったらね」
 カエルマンはビリーナのお話を聞いて言いました。
「私達ももう少しここにいようか」
「君達もなんだ」
「そう言われるともっと食べたくなったよ」
「この町の海の幸をだね」
「私もまた」
「私も。そう言われますと」
 クッキーも言ってきました。
「こちらのお料理はどれもあまりにも美味しいので」
「だからだね」
「はい、私も」
「ではわしも残ろうか」
 キャプテンも言いました。
「そうしようか」
「それなら私も」
 ポリクロームも言ってきました。
「ここのお茶が美味しいから」
「残るんだね」
「海も奇麗だから」
 前ノーム王にくるくると踊りながら答えます。
「そうしたいわ」
「それではね」
 トロットも笑顔で応えました。
「皆でもう暫くこの町にいましょう」
「そうされますか」
「言われてみるとね」
 前ノーム王にというのです、ナターシャにお話します。
「もう一巡はね」
「食べてみたいですか」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「ここは残りましょう」
「そうですね、それじゃあ」
「皆でね」
「この港町に残りましょう」
 こう言ってでした、トロットは前ノーム王の言葉を聞いてでした。
 皆で港町のお料理をさらに食べていきました、そうして心ゆくまで食べて満足してからなのでした。
 笑顔で港町を後にしたエメラルドの都に戻りました、そこで解散となりましたが前ノーム王は皆に満面の笑顔で言いました。
「ではまたね」
「ええ、また機会があったらね」
「一緒に旅をしよう」
「そうして楽しみましょう」
「そうするとしよう」
 トロットと笑顔で別れの挨拶を交えさせてでした。
 前ノーム王は自宅への帰路につきました、まるでスキップをする様な足取りにはかつての暗いものは何もありませんでした。


オズのラゲドー氏   完


            2021・7・11
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ