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オズのラゲドー氏
第十二幕その八

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「南国の海は南国の海でね」
「楽しみ方があるね」
「そう思うわ」
「バナナやココナッツジュースを楽しんで」 
 前ノーム王はさらに言いました。
「サングラスにアロハ姿はどうかな」
「結構似合いそうね」
 トロットは前ノーム王のそうした姿を連想してついつい笑顔になりました。
「そちらもね」
「そうだね」
「ええ、じゃあリンキティンク王の国とかね」
「南国だね」
「そちらに行ったら」
 そうした時はというのです。
「是非ね」
「そうしたところをだね」
「楽しんだらいいわ」
「そうだね、海といっても色々な楽しみ方があるね」
「そうね」
「じゃあオズの国のあちこちを旅するよ」
 こう言ってでした。
 前ノーム王は皆とさらにお話をしました、そして。  
 次の日のお昼遂にお寿司屋さんに行きました、和風のお店でカウンターには威勢のいい感じの初老の角刈りのおじさんがいます。
 そのおじさんを見てです、前ノーム王は言いました。
「職人って感じの人だね」
「寿司職人さんよ」
 トロットが答えました。
「実際にね」
「シェフじゃないんだね」
「シェフというよりかね」
 むしろというのです。
「お寿司を作る人はね」
「職人さんなんだね」
「そうなのよ」
「成程、そうした人達なんだね」
「お寿司を作る人達はね」
「そうなんだね、ではね」
 それならと言うトロットでした。
「これからね」
「お寿司をだね」
「皆で食べましょう」
「それじゃあね」
 前ノーム王も頷いてでした。
 皆カウンターの席に座りました、そのうえでそれぞれお寿司を注文しますが職人さんは物凄い速さでお寿司を握ってくれます。
 最初は卵を食べてです、前ノーム王は言いました。
「これは」
「美味しいですね」
「凄くね」
 自分と同じ卵を食べているナターシャに応えました。
「美味いよ」
「そうですよね」
「いや、いいですね」
 ジョージはハマチを食べて言いました。
「この美味しさは」
「幾らでも食べられますね」
 神宝は鮪を食べつつ言います。
「このお寿司は」
「実際どんどん進みます」
 カルロスは鮭を食べながら言っています。
「お寿司を持つ手が」
「もう止まらないですね」
 恵梨香は赤貝を食べながら言うのでした。
「これは」
「全くだよ、遂に食べたけれど」
 前ノーム王は五人の子供達に笑顔で言いました。
「最高だよ」
「そうですよね」
「これまでこの町で食べたものも美味しかったですが」
「それも凄く」
「ですがこのお寿司は」
「また別格です」
「うん、どのネタも食べたいね」
 前ノーム王は今度は鰯を食べて言います。
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