第45話
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「………」
「どうしたピッコロ?」
悟林を見て沈黙しているピッコロに悟空が気付いて尋ねる。
「いや、あいつを見ていると、悟飯も修行をしていれば悟林と同じレベルになれたのかもしれんと思ってな。無論、あいつの今の生き方を否定するわけではないがな。悟飯は超一流の戦士に必要な素質を十二分に備えているが、致命的な弱点がある。」
「致命的な弱点?」
「それは戦士になり切れない甘さだ。甘さと言う点ではお前も同じだが、お前は如何なる状況でも全力を、時にはそれ以上の力を発揮出来る男だ」
闘いにおいて甘さは邪魔だ。
悟空も悟飯も甘いという意味では変わらないが悟空は常に持てる能力の限界を超えて力を出し切ることの出来る男だった。
悟空がいれば何とかなるという圧倒的な何かを持っており、それは誰もが認めざるを得ない孫悟空という男の大きさだった。
一方悟飯は、どれだけ闘いと修行の経験を重ねても力の全てを出し切ることはなかった。
強敵にも怯まず挑み、傷つきながらも己を磨き上げていくのは今の悟飯には足りない気持ちである。
元々悟飯は武道への興味もなく、必要に迫られ、自分も何かしなければならないと言う責任感から修行をしていた。
互いに競い合う相手も、競い合うことで生まれる楽しさを感じる土台も悟飯にはないのだ。
未来悟飯は未来悟林が死んでから代わりの師匠として未来トランクスを鍛えていたので、育成の際に武道の楽しさを感じたのだろう。
闘い以外での武道の楽しさを。
未来に帰る前に未来トランクスとの修行内容で色々話し合ったこともあったが、とても楽しそうであったのは覚えている。
「どんどん強くなっていくあいつを見ていると、やはり惜しくなってくる。あいつの才能がな」
「そうだなぁ…でもよ、未来の悟飯みてえになって欲しいかって思うとなぁ…」
未来悟飯の強さは大事な仲間や家族を失い、夢さえ諦めるほどの苦難があったからだ。
平和な時代を生きていられるこっちの悟飯がそんな風になって欲しいとは父親としては思わない。
「ああ、分かっている。それくらいはな…」
ピッコロは宇宙を見上げて未来へ帰っていった別次元の弟子に想いを馳せるのであった。
余談だが、途中で全王と言う全ての宇宙の頂点に立つ神が現れて全宇宙規模の格闘大会を近いうちに開催することになるのであった。
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