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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第12話:彼女のサガシビト
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ネオライダーの襲撃から後日。
あの時の騒ぎのせいでその日調べられないと判断した一同は一度出直すことにした。
サクラはモコナと共に買い物へ出かけていた。
栄次郎に頼まれたことであり、彼女は自分ができることならと引き受けた。
現在士達他のメンバーは修業の稽古、羽根の情報収集など勤しみ、今サクラとモコナが外で歩いていた。
「サクラ、買い物大丈夫?」
「うん、メモに書いてあるものは大体買ったよ」
「サクラえらーい!」
買ったものをいれた大きな紙袋を両手で抱えながら写真館への帰路についていた。
そこへ、サクラとモコナの視界に入ってきたものがあった。
それはキョロキョロとあたりを見回す、サクラより年上の夏海と同じくらいの一人の女性だった。
赤みがかった茶髪と真紅色の瞳が特徴のその女性は、一枚の写真を見せながら通行人に話しかけていた。
彼女は尋ねた通行人からいい返事が聞けなかったのか浮かない顔をすると、頭を下げて離れていった。
「なんだろう、あの人」
「なんだか気になるなぁ」
モコナとサクラは不思議そうに彼女を見ていた。
彼女は顔を下に向けたまま歩き出していく。
その先には交差点……信号は赤信号、行きかい始める自動車達。
だがそんなことも気づかず、進んでいく女性……危ないのではないか?
そう思ったサクラは走り出し、彼女の服をつかんで引き留める。
「―――あぶない!」
「え?きゃっ!?」
はっと我に返った女性は、自分が今置かれた状況に気づく。
次の瞬間、目の前に通り過ぎるいくつもの自動車。
危うく自分が轢かれるところだった状態に気づき、呆然とする彼女へサクラが話しかける。
「あの、大丈夫ですか?」
「ああ……うん、大丈夫、私は大丈夫よ」
「怪我しなくてよかったねー」
サクラの肩に乗ったモコナが女性の顔を覗き込む。
白いふわふわの生き物が喋って来て少し戸惑うも、女性はサクラに感謝の言葉を述べる。
「助けてくれてありがとう。お礼は何て言ったらいいのか」
「いえ、お礼なんていいですよ!ただ危なかったので助けただけです」
「それでも、感謝したいのよ」
助けた事に関して褒められるも謙遜するサクラ。
そこへモコナがしんみりとした声のトーンでかけてくる。
「……お姉さん、寂しいの?」
「えっ?」
「モコちゃん?」
「モコナ、感じるよ。お姉さん、隠してるけどそれでも伝わるくらいに」
モコナはいつもとはおちゃらけた雰囲気はなりを潜め、彼女へと言葉を紡いでいく。
サクラは何故モコナがそんなことを言い出したのか理解した。
モコナには"人の心を感じ取る力"を持っており、自分自身も以前そのことで励まされた事がある。
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