第二百三十五話 熊を仕留めその四
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「俺達人間も同じだ」
「幕府もな」
「一匹の獣や魔物でもな」
今の幕府、浮島の殆どを掌握しかなりの力を備えていてもというのだ。英雄は厳しささえ感じられる声で述べた。
「全力で倒す」
「そうするな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「民の不安を取り除く」
「蝦夷のな」
「まだ幕府の民ではないが」
蝦夷の者達はというのだ。
「救う」
「そうするな」
「そうすればです」
謙二が言ってきた。
「蝦夷の民達も拙僧達を認めます」
「自分を護るな」
「そうした者達とです」
まさにというのだ。
「なら蝦夷に入る時もな」
「民は喜んで迎えてくれます」
「そうだ、俺はそのことも考えてだ」
「そのうえで、ですね」
「強者達を送った」
こう謙二に述べた。
「最初からな」
「左様ですね」
「民を傷付けさせないが」
「政の面からもですね」
「見てのことだ」
「左様ですね」
「自分達を護る者を人は信じ慕う」
その様にするというのだ。
「そうする」
「その通りですね」
「そして人はだ」
まさにというのだ。
「その逆にどんな強者でも自分を護るどころか害を与えるならな」
「敵になります」
「そうなる」
自然にというのだ。
「確実にな」
「左様ですね」
「力は強弱ではない」
英雄はこうも言った。
「それをどう使うかだ」
「そのことが大事であり」
「俺としてはだ」
「その様に使われますね」
「力を持っても溺れるならだ」
それならともだ、英雄は謙二に話した。
「所詮はだ」
「それまでです」
「そうだ、また言うが力はな」
「どう使うかです」
「弱くともだ」
その力がというのだ。
「使い方だ」
「それ次第ですね」
「どうとでもなったりする」
「自分がどういった力を持ち」
「それをどう使うかをわかっているとな」
それならというのだ。
「それだけでだ」
「大きいですね」
「そうしたことが出来る」
大きなことがというのだ。
「長靴を履いた猫でもな」
「頭を使ったので」
「オーガを倒せた」
「そうでしたね」
「オーガは大きな身体と怪力とだ」
それにというのだ。
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