第四百八十四話 呉越同舟に非ずその十四
[8]前話 [2]次話
「アマゾンの仲間だった奴にそうした奴いるんだよ」
「仮面ライダーの世界にですか」
「ああ、あまりというか腹立つ戦いだったみたいだけれどな」
万丈は律にあからさまに不機嫌そうに話した。
「そこでな」
「そうした人がおられたんですか」
「そうだったんだよ、そいつだけが味方の青いアマゾンがいてな」
それでというのだ。
「そいつを巡る戦いがな」
「不愉快なもので」
「それでな」
「その人がですか」
「俺にそっくりなんだよ、そいつはライダーじゃないし離れてるけれどな」
ライダーとの戦いからというのだ。
「そいつが俺そっくりだ」
「そうした人がおられますか」
「あと世界が変わったらな」
「そこにもライダーの方がおられて」
「俺自身がな」
世界は違うが並行世界に存在していてというのだ。
「いるからな」
「だからですか」
「あんた達がそうでもな」
「わかるんですね」
「それでもな」
「そうですか」
「ああ、しかしな」
万丈は曇った顔になってこうも言った。
「その青いアマゾンはな」
「酷い話だったな」
桐生も顔を曇らせて言った。
「ああなったら俺でもな」
「耐えられないよな」
「無理だ」
こう万丈に言った。
「とてもな」
「そうだよな」
「耐えられるか」
とてもというのだ。
「本当にな」
「若しあいつがいなかったら」
万丈は自分に非常によく似た彼のことを思いつつ言った。
「もっと酷かったな」
「俺があいつと同じ場所にいてもああしていた」
「助けていたんだな」
「青いアマゾンをな」
その彼をというのだ。
「そうしないでいられるか、ただな」
「ただ、どうしたんだ」
「緑や赤の奴だったらな」
「あのアマゾン達か」
「俺は動けなかっただろうな」
「青いアマゾンを殺せなかったか」
「ああ」
そうだったというのだ。
「無理だ、あいつが悪いことしたか」
「あいつ自身がな」
「それであんなよってたかってな」
「一方的に殺そうってんだからな」
「あんなこと出来るか」
「俺もだ、あいつ何であそこまでされなきゃいけなかったんだ」
「物理で何でも説明出来てもな」
桐生は物理学者としても言った。
「やれることとやれないことがあるんだ」
「その通りだ、だったらな」
「あんなこと出来るか」
「本当にな」
「昔の、改編前の世界の俺なら出来た」
氷室は深刻な顔で述べた。
「だが今の俺だとな」
「無理だよな」
「ああ、あいつが本当に何をしたんだ」
青のアマゾンだった彼がというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ