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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
獣-でんじゃらす・びーすと-
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いるこっちが辛くなるような、そんな過去だった。」
「まぁ、そうだな。」

しかし今となっては過ぎたことだ。

「だから、何かしてあげたいって。」
「それがこれか。」
「…。」

黙る武蔵だが、静かにこくりと頷いた。

「辛いことばっかりだったから、せめてもの何かしてあげたい。そんなこと忘れられるような、何か思い出に残るようなことをしてあげたい。そう思ってたんだけど、”これ”しか思い浮かばなくって…。」
「ドスケベ礼装を着ることか?」

そういったことには消極的な武蔵だが、ここまで身体を張ってしてくれるということはそういうことだ。

「ごめん…何か空回りしちゃって、こんなことで大和くんの心の傷が癒えないことくらい分かりきってるのに…」
「…癒えるぞ。」
「…へ?」

武蔵に歩み寄る。
近づく度に武蔵は下がるが、その分俺はぐいぐい近づく。
やがて武蔵は後ろのベッドにつまずきそのまま倒れ込むと、俺も彼女を押し倒すような体勢になった。

「今、なんて…?」
「癒えると言ったんだ。男ってのは馬鹿な生き物なんだ。女が自分のためにそんな格好をしてくれたなんて言われれば、心の傷なんてなくなるし元気も出る。」

顔を近付ける。
彼女の荒くなった吐息がかかり、僅かに頬が紅潮しているのが分かる。

「据え膳食わぬはナントヤラだ。お前をこのまま恥ずかしい思いだけさせて終わらせるなんてことはしない。」
「で、でもやっぱりやめ…」

うるさい。
ここまで来てあれこれ言うな。という意味も込めて唇を重ねる。

「…。」
「ん…んっ…?」

久方振りの、武蔵の唇の感触。
柔らかくて、暖かくて、彼女の口が緩むと舌を入れる。
難なく受け入れられ、絡ませ合うと自然と下半身に熱を感じた。

「…ふっ、本当に危険な獣だな。」
「…。」
「目をそらすな。お前から吹っかけたんだろう?」

一度口を離すと武蔵は目をそらす。
恥ずかしくてたまらないのだろうが、顎を持って強引に俺と目を合わせる。
感情には出さないが、この時の武蔵は可愛いし、恥ずかしがるその顔もとても下半身にクる。

「買い物は…それか。」
「…。」

こくこくと、頷く。

「俺に何か出来ないか、そう考えてこういう結果になったんだな。」
「…。」

黙って頷く武蔵。
果たしてシてあげたかったのかシたいのか、それは武蔵本人にしか分からない。
しかし、武蔵が俺の為に獣になる言うのなら、俺も獣になろう。



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