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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
獣-でんじゃらす・びーすと-
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なんてものはだな…」
「竜胆!さっき親戚から連絡があったぞ!なんでも両親が交通事故に遭って死んだそうだな!仕事の都合で葬式には出られないと俺が伝えといてやったぞ!!いいか、俺がお前くらいの頃なんか忙し過ぎて親の死に目にも会えなくてなぁ!まぁお前の親の事だからどうせどんくさかったんだろう、事故に遭うのも無理もないって話だ!ま、ドンマイとしか言いようがないな!!」
「こんなところで会うなんて奇遇じゃないか。何してるんだ?プラモデル?そんなもの買うな買うな!金の無駄遣いだろう!!俺がもっと有意義に使ってやる!ホラ!飲みに行くぞ!!なんだその顔は?折角上司が休日返上してサシで飲んでやるって言ってるんだ!もっと嬉しそうな顔をせんか!!」
「殺す。」
「え?」
目が覚めた。
気がつけば目の前には何故か武蔵。
「…どうした。」
「き、急に起きて殺すなんて言われたから。」
「悪い。思わずそう言いたくなるような夢を見たのさ。主に山本のな。」
そう言うと武蔵も納得する。
やつのやってきたことは大体武蔵には話してあるので夢で見た一部始終は全部知っている。
「そうね。あんな奴死んでくれないのなら、こちらから殺すしかないものね…。」
「ああ、ところで武蔵…。」
ちなみになのだが、俺達は今こうしてホテルに泊まり、泥のように眠っていたところだ。
あまりにも夢見が悪過ぎたので起きてしまったが時間は草木も眠る丑三つ時の午前二時。
そこまではいい。
問題は、何故武蔵が俺の上にいるかだ。
「何をしてるんだ?」
「え、あ、いや…その…。」
俺に跨っていた状態の武蔵にそれを追求すると、彼女はそそくさと降り隣のベッドに戻った。
「武蔵。」
「もう寝ます。おやすみ。」
「武蔵。」
「起こしてごめんなさい。大和くん、疲れてるものね。」
「武蔵。」
「寝相よ寝相。」
「どういう寝相してれば隣のベッドに来て俺の上に乗るんだ。教えてくれ武蔵。」
「…。」
「武蔵。起きろ。」
「…。」
「…。」
諦めて寝ることにした。
?
そうして翌朝。
「…。」
俺達が訪れた町は比較的平和な場所だった。
衣食住にも困らず、外からのモンスターの驚異もない。
たまにはゆっくりと過ごそうかと思っていた中…。
「大和くんは…”夜這い”ってどう思う?」
「」
定食屋にて思わず吹き出しそうになった。
いきなり何を聞くんだ武蔵は。
「どうした。」
「もし、もしなのだけれど…大和くんが夜な夜な誰かに襲われると考えたら、どう思う?」
「…返り討ちにはするな。」
「あーごめん。襲われるってのはそう言う意味じゃなくて…。」
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