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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
獣-でんじゃらす・びーすと-
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「はい…。」
集まるように言われ、時計を見てみれば6時前…
まだ外だって薄暗い。
こんな早朝に呼び出されるのは何事かと思うだろう。
それは
「俺達…何してるんだろうな…。」
「さぁ…山本さんはこれからのビジネスだなんて言ってるけど…立派な転売だよな、これ。」
某家電量販店の長蛇の列にいる俺。
俺の他にも山本に呼ばれた者達が並び、いまこうして俺は同期と死んだような顔で話をしている。
呼ばれた理由はこうだ。
「お前の好きなアレ、あるだろ?」
「ガンダム…ですか?」
「そうそれだ!それのメタルビル…なんだ?ともかくオタクが好きそうなやつだ。それが1人3点までと言われてなぁ!是非ともお前達に手伝って欲しい!」
「…え?」
俺達が並ばされているのは今日発売の商品の列
当然、山本はアニメの知識なんて全くないしむしろ毛嫌いしている。
じゃあ息子のため?いやこいつは独身で子供嫌いだ。
こんな悪意と嫌味の塊みたいな奴と結婚したいやつなんかいるわけないだろう。
すまん。話が逸れた。
俺達が並ばされているのはそう、
転売だ。
「これからはこういったものが主流のビジネスになる!その先駆けとして俺が今こうしてやってるわけだが、お前達にも学ばせてやろうと思ってな!」
聞こえはいいが、やってることは犯罪の手伝いだ。
転売ヤー、と言えば分かるだろう。
各界隈から非常に忌み嫌われているアレだ。
当然俺も転売ヤーは大嫌いだ。
しかしここに転売は悪いことだと注意するものはいない。
もし上司にたてつけば、その場で殴られるし会社での扱いもより酷いものになる。
だから、皆ははいはいと言うしかない。
ターゲットはそれだけじゃない。
オタクに売れそうなものなら、なんでも買う。
「…。」
「竜胆、仕方ないって。」
昔から行きたくて行きたくて仕方がなかったFGOのフェス。
だが、こんな理由で来たくはなかった。
「武蔵ちゃんを転売していいのか…いいわけないだろ…っ!」
「だってしょうがないだろ!!そうしなきゃ俺達が痛い目見るんだぞ!!」
物販エリアで片っ端からグッズを回収していく俺と数人の同期
周囲の痛々しい視線を背中に受け、涙をこらえ、したくもない転売を手伝い、大事な武蔵が転売に使われるのが辛くて仕方がなかった。
武蔵じゃなくってもそうだ。
他の誰かの推し鯖が、あんな奴の金儲けに使われる…。
いちFGOユーザーとしてはたまったものではなかった。
ああ、次々と思い出す、奴とのクソのような思い出。
「竜胆!お前のゲームのデータ消しといてやったからな!スマホはゲーム機か?違うだろ。そもそもあんなオタクがやりそうなゲームをしているからお前はダメなんだ。いいか?ゲーム
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