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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth27世界の行方は2人の女の決着に委ねられる〜PreludE〜
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どころか、待ってました、と言った風だ。

『セフィロトの樹、数は3、意は理解、色は黒、宝石は真珠、神名はエロヒム、守護天使はザフキエル。我が内より来たれ、貴き英雄よ』

モニター越しから漏れ聞こえるルシリオンの詠唱。セフィロトの樹の第3セフィラ・ビナーの円陣に浮いていた宝石サファイアの如き魔力塊が全て消費されて砕け散る。

『誇り高き騎士王・・・・アルトリア・ペンドラゴン(セイバー)ッ!』

着弾まであと僅かとなったところで、青いドレス調の服にブレストプレートや籠手・具足の部分甲冑を装着した金髪の少女がどこからともなく現れ、ルシリオンらの前に躍り出た。

全て遠き理想郷(アヴァロン)!!』

少女のその言葉の直後に6本のカレドヴルフがルシリオン、ザフィーラ、シュリエルリート、そして少女の居る地点に着弾した――かに思えたが・・・「うそでしょう・・・!」テウタが目を見開く。モニターに映っているのは、着弾したかに思えたカレドヴルフが一斉に弾き返され戻ってきた光景だ。

『警告! 第五、第七砲門に――』

エテメンアンキの緊急を知らせる報告の最中、弾き返された6本のカレドヴルフの内2本が砲門2門に直撃した。その衝撃に「きゃぁぁぁああああああああッ!」テウタが玉座より悲鳴を上げながら転げ落ちる。エテメンアンキより第五・第七の砲門が損壊したという報告が、ノイズが紛れながらも全区画に流された。

「・・・・・・」

床に伏せたままのテウタはしばらく黙りこみ、そして突然「ふざけるなッ!」床に頭突きを一発。そう叫んでしまうのもまた当然かもしれない。あまりに理不尽、あまりに不条理。世界を滅亡させるだけの兵器エテメンアンキを用いても打倒する事が叶わず、それどころか単独で攻略されそうになっている。

「・・・ルシリオンには・・・どうやっても勝てないのですか・・・?」

両の拳を力の限り握り、何度も床を叩く。床にポタポタ落ちるのは水滴――テウタの悔し涙だ。彼女の面前に新しく展開されたモニターには、満足そうな、してやったりといった風な笑みを見せるルシリオンが映っていた。
そしてカレドヴルフを反射したと思われる少女の姿はもうない。ルシリオンが“英雄の居館ヴァルハラ”より召喚したのは、何万と居る“異界英雄エインヘリヤル”の中でも上位の存在・英霊に位置する者。現状のルシリオンでも長い時間召喚する事は出来ないため、早々に召喚を解いたのだ。

「第三が完全に使用不可、第五、第七砲門は修復さえすれば使用可・・・。ですが、すぐにとはいかない。・・・残り四門、最早役に立つかも判りませんね」

テウタは再び玉座に腰掛け、努めて冷静になって現状を確認。最早彼女に残されている道は、イリュリアに進軍した勢力全てを討伐すること。ルシリオンへのアプロ
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