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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth27世界の行方は2人の女の決着に委ねられる〜PreludE〜
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までこのような雑魚の集まりに阻まれていたと言うのかッ!」

ダールグリュンは怒声を上げ、クロケア・モルスの石突をズンッと地面に打つ。それだけで彼の周囲に震動が起こり、敵味方関係なくフラついた。

「彼らを冒涜しないでもらおう。騎士ヨハンは、イリュリア騎士の誰もが敬意を表す男だったのだ。そのような偉大な男が討たれた。取り乱すのもまた仕方ない事だと思うのだがな」

ダールグリュンに異を唱える1人の男。ダールグリュンは「出たな。グレゴール」と嬉しそうに顔を破顔させた。ダールグリュンの視線の先には、白銀の甲冑を着込だ老齢の男――グレゴール・ベッケンバウアーが佇んでいた。
シュトゥラ・ラキシュ領はアムルを襲撃し、アンナを連れ去った時とは違い、今のグレゴールは完全武装だ。甲冑はもちろん左手に携えるは飾りっ気のない大剣。形状は片刃、峰は櫛状となっていて、所謂ソードブレイカーと呼ばれる短剣を巨大化させたものだ。

「我が戦いたいと思っていた男が今、こうして目の前に現れた。これは僥倖よ」

「小童めが。雷帝と謳われ、鼻が高くなっているのではないか?」

三連国バルトはウラルを統治する王ダールグリュンと、イリュリア騎士団総長にして第一位の実力者グレゴールが邂逅した。2人の周囲に居る者たちが一斉に散って行く。2人の決闘の近くに居る事、それ即ち死に直結すると理解しているからだ。そんな散って行ったダールグリュンの配下の騎士団の元に、1人の成人男が立ち塞がる。

「アインス。我とダールグリュンの決闘が終わるまでに、その者たちを一掃しておけ」

「ヤヴォール。ロード・グレゴール」

グレゴールにそう応じた男の名はアインス。融合騎プロトタイプ・一番騎アインス。全ての融合騎の兄であり、シュリエルリートと同じように単独戦力としても強大だ。アインスは雷撃で大鎌を創り出し、「それでは皆さん、死ぬお時間です」そう言いながら、ウラル騎士団や何百体と居るマリアージュへと突撃、次々と薙ぎ払っていった。

「・・・決闘が終わるまでに、か。面白い。決闘の後、どちらが立っているか、確かめようではないか!」

「一国の王が戦闘狂とは。ウラルもそう長くはないかもしれんな」

ダールグリュンは戦斧クロケア・モルスを前に掲げ、グレゴールもまた刀剣破壊剣――銘をシュチェルビェツ、意を刻みの(ギザギザの)在る剣――を前に掲げ、互いの武装の先を当てた。

「バルトはウラルの王、雷帝バルトローメウス・ダールグリュン」

「イリュリア騎士団・序列第一位、総長グレゴール・ベッケンバウアー」

「「いざッ!」」

イリュリアと対イリュリア同盟、二大勢力における最強格の騎士が衝突した。




ヨハンの死。それがキッカケとなったかのようにイリュリア戦争は熾烈を
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