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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth27世界の行方は2人の女の決着に委ねられる〜PreludE〜
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ウストラシアの騎士は全滅、私としても危うかった」

「ごめんなさい。みんなも・・・」

私や騎士シグナム以上にボロボロであるみんなに謝る。騎士シグナムは「勘違いしているようだな。私は責めていない、感謝していると言ったぞ?」と苦笑。

「そうですよ。謝らないでください、騎士リサ。結果的に、ヨハンを討つ事が出来ました」

「無傷で彼のブルーティガー・ハーゼ・オルデンに勝利できるなど誰も思っていませんでしたし」

「斃れた仲間たちは、決して騎士リサを恨んでなんかいません」

「それどころかきっと褒め称えていますよ。強敵にして難敵の第二位ヨハンを、単独で討てたのですから」

他の騎士も私を称えるような事を言ってくれた。イリュリアに勝つための礎になる事は、打倒イリュリアを心がける者たちにとっては本望だと。それでも死んでほしくなかった。たぶんそう思うのは私だけじゃないはずなのに。でも、だからこそ斃れて逝った仲間たちのために、私たちはここで立ち止まるわけにはいかない。

『リサ。キルシュブリューテの魔力を使って私が治癒術式を発動するから、掲げて見せて』

『あ、はい。お願いします』

力の入らない両腕を精一杯上げて、“キルシュブリューテ”を掲げた。治癒が終わったら、私ひとりでも王都へ向かわないと。待っていてください、オリヴィエ様。

?―?―?―?―?―?―?

イリュリア騎士団、その序列第二位である騎士ヨハン・オメガ・シュプリンガー敗れる。そんな最悪な報告がイリュリア各地に散っているイリュリア騎士団へと拡がった。そして同じように彼を討伐した騎士の名もイリュリア全土に知れ渡る事になった。
アウストラシアの近衛騎士団の一個小隊ズィルバーン・ローゼの将にして、元十騎士公家の1つたるフライハイト家の次期当主、リサ・ド・シャルロッテ・フライハイト。
イリュリアの騎士ならば誰もが憧れ慕い、他国にすらその名を轟かせたヨハンが戦死。この事実が、イリュリア騎士の士気に大きく影響する。ヨハンの死は、彼を慕っていた騎士たちの士気を大いに下げていた

「騎士ヨハンが敗れた・・・? そんな馬鹿な!!」

「あのヨハン様が負けるなど嘘だ!」

それはここイリュリア南東部を防衛している騎士団も例に漏れず。ベルカ全土に名を馳せる大帝――雷帝バルトロメーウス・ダールグリュンを前にして、彼らはその事実を認めようとはせずに叫ぶのみ。ダールグリュンは「戦場にそのような感情など持ち込むではないわッ!」怒声と共に黄金の戦斧――銘をクロケア・モルス、意を黄橙色の死――を薙ぎ、その騎士たちの体を粉砕して一瞬のうちに絶命させた。

「温い! ヨハンとやらが討たれたと知るや否や足並みを崩すとは! これがイリュリア騎士団だと? 笑わせるでないわッ。我らは今
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