暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth27世界の行方は2人の女の決着に委ねられる〜PreludE〜
[11/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
と、連鎖的に法陣結界が砕けていく。ドサッと力なく地面に落ちたヨハンは身じろぎ1つ、呻き声すらも出さない。私も声が出せないほどに疲労。なんとか地面に着地できたけど、すぐに足がフラついてその場に座り込む。
全身が悲鳴を上げている。牢刃・弧舞斬閃は魔力も肉体も酷使するから、連戦の可能性がある場合はなかなか使わない。魔剣“キルシュブリューテ”の魔力を運用してもこのザマだ。もう少し魔力消費については改良しないといけないかな。

『お疲れ様、リサ。あなたの真技――牢刃・弧舞斬閃。確かに観せてもらったよ。なかなか面白い。私はこれで良いと思うよ。もっと昇華させていけば汎用性も出ると思うし。私の真技――牢刃・弧舞八閃なんかよりずっと良い。アレは純粋で確実な斬殺剣技だから』

上がらない腕を必死に動かして魔剣”キルシュブリューテ”を鞘から抜く。でもそれだけ。思念通話で応えようとも思っても思考が乱れてしまって、思念通話なんて簡単な魔導すら発動できない。とにかく何故かシャルロッテ様はとても悲しそう。斬殺剣技がダメ? 剣技は敵を斬り捨てるためのものなのに。言葉は交わさなくても思っている事は魔剣“キルシュブリューテ”を通して繋がってしまうようで。

『力はね、ただ殺す――害するだけのものじゃないんだよ。あなたも解ってるでしょ。力は――』

『何かを守るためのもの・・・ですよね・・・?』

『そうゆうこと♪・・・さて、シグナム達の方も終わったようね』

首だけを動かして周囲を見回す。私とヨハンの決闘を邪魔させないように敵騎士団と交戦してくれていた騎士シグナムやアウストラシア騎士団のみんな。騎士シグナムは体や騎士甲冑のあちこちに斬傷を作っていて、左足を庇うようにヨロヨロと私の方へと歩いてくる。
歩いているだけで辛そうだけど、それでも「素晴らしい戦いだった」そう笑みを浮かべて褒めてくれた。“キルシュブリューテ”を待機形態の首飾りに戻した私は深呼吸を何度も繰り返して息を整え、

「ありがとう、ございます・・・!」

フラフラでボロボロな騎士シグナムが差し伸べてくれた手を迷いながらも取って立ち上り、こちらも笑みで応じた。立ち上る事で状況がさらに克明に理解できた。戻って来てくれたアウストラシア騎士団の数は30人弱だった。なのに今、立っているのは・・・8人。他はみんな地面に倒れ伏している。そしてブルーティガー・ハーゼ・オルデンの騎士は・・・80人弱が倒れている。戦闘開始前は確か100人くらい居たはずだ。残りの20人は・・・・?

「お前がヨハンを討った時に連中は撤退した。正直助かったよ。さすがは第二位が率いる騎士団だ。構成騎士の実力は誰も彼も高かった。こちらにはまだ余力があると思わせていたが、そんなものは演技にすぎん。あと少しお前がヨハンを討つのが遅れれば、ア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ