第九話 合コンの前にその五
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「わからないわ」
「やっぱりあれでしょ」
富美子は強い声で言い切った。
「中学の時に学校の課外教育で自衛隊や警察に行ったけれど」
「自衛官や警察官の人達の方が恰好いいわよね」
「そうよね」
「私特に消防署の人達が恰好いいと思ったけれど」
「ヤクザ屋さんよりずっとね」
「あの人達が入れ墨を入れてるなんてね」
そうしたことはというのだ。
「ないわよね」
「絶対にないわよ」
富美子ははっきりと言い切った。
「それは」
「そうよね」
「公務員だしね」
消防署員はというのだ。
「尚更ね」
「それはないわね」
「私としては自衛官の人達が一番恰好いいと思ったけれど」
富美子は自分が感じたことも話した。
「あの人達もよ」
「入れ墨なんてね」
「絶対に入れないわよね」
「そうよね」
「昔の軍隊かららしいけれど」
自衛隊だけでなくというのだ。
「ああいう人達の方が遥かに恰好いいけれど」
「入れ墨なんて入れてないし」
「もうそれでいいでしょ」
「入れ墨いらないわね」
「アウトローよりもね」
「真面目よね」
「その方がいいわよ、真面目でしっかりしている」
それこそがというのだ。
「一番恰好いいわよ」
「自衛隊の制服滅茶苦茶格好いいじゃない」
一華は目を輝かせて言い切った。
「特に海の人達の」
「海上自衛隊ね」
「あの黒と金色の」
「あれ最高よね」
「それと白の詰襟」
一華は海上自衛隊の夏の礼装の制服の話もした。
「あれなんかね」
「何か洗濯大変そうだけれど」
「決まり過ぎよ」
「うちの学校の制服でもあるしね」
「どちらもね」
八条学園の男子の制服にあるのだ、黒と金のものは袖の部分に太いモールが二本の一等海尉のもので白の詰襟には肩章がない。
「いいわよね」
「着てる子うちのクラスでもいるしね」
「どっちもね」
「全うな生き方してたら」
富美子はここで言った。
「お顔もね」
「人相がね」
「よくなるわね、じゃあ合コンでも」
「そうしたお顔見ないとね」
「駄目ね、まあ成海君の友達だし」
彼の紹介でというのだ。
「多少茶髪でもね」
「真面目よね」
「そうよね」
「みたいよ」
その成海と付き合っているかな恵の言葉だ。
「人間はね」
「成海っちも真面目だしね」
「茶髪はもうファッションだし」
「昔は不良って思われたけれどね」
それでもというのだ。
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