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イベリス
第三十六話 恐ろしい強さその五

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「プロとは思えないよ」
「本当に弱いのよね」
「毎年百敗北以上してるから」
「ああはなりたくないわね」
「幾ら何でもね」
「そうよね、しかし思うことは」
 それはとだ、咲は話した。
「たまには優勝したいわ」
「阪神に勝って」
「流石にね」
「やっぱりそう思うよね」
「阪神勝つと不思議と日本の景気がよくなるけれど」
 それでもというのだ。
「たまにはね」
「リーグ制覇して」
「クライマックスでも勝って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「シリーズも勝って」
「日本一になりたいわ」
 是非にというのだ。
「今年でもね」
「何か今年も阪神スタートダッシュ成功したね」
「開幕から怒涛の十五連勝だったから」
「もう今年もかな」
「優勝かもね、巨人は二十連敗したけれど」
 開幕からだ、尚巨人は三年前に開幕三十連敗を達成しているのでそれでも記録ではない。上には上がいるということだ。同じチームであるが。
「阪神はね」
「十五連勝だからね」
「いきなりだからね」
「勝つの難しいね」
「本当に困るわ」
「絶対にあの時の西武より強いよ」
「獅子の時代じゃなくて虎の時代ね」
 咲は自然とこの言葉を出した。
「最早」
「そういうことだね」
「それで日本んお景気がよくなっても」
「優勝したいよね」
「本当にね」
 こう言うのだった、そして。
 咲は昼休み学校の図書館で当時の西武のことを自分でも調べた、そうしてクラスに戻ってクラスメイト達に話した。
「昔の西武強かったのね」
「そうらしいわね」
「私達のお父さんお母さんの若いか子供の頃ね」
「もう無敵で」
「丞相軍団だったのよね」
「それでその頃の選手の人達が」
 咲は彼等の話もした。
「監督やコーチになって」
「活躍してるのよね」
「あの時の選手の人達が」
「丞相軍団の戦士で今は各チームの指導者」
「凄いわよね」
「調べて驚いたわ、ヤクルトも」
 自分が応援するチームもとだ、咲は彼女達に話した。
「金森さんや辻さん、渡辺久信さんが入ってたしね」
「結構西武と縁あるのね、ヤクルトも」
「辻さんヤクルトでも活躍したらしいしね」
「もうその野球技術の高さで」
「そうだったらしいし」
「野村さんに加えて」 
 さらにというのだ。
「西武の野球も入って強かったのね」
「最初に関根さんが若手育てたのよね」
「関根潤三さんがね」
「広澤さんや池山さん育てて」
「そこに野村さんが来て」
 咲はまたこの名将の名前を出した。
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