第三十六話 恐ろしい強さその四
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「うちここ二十年守備あまりよくないからね」
「そうなの」
「エラー多いしピッチャーもあまりよくないから」
「そう言えば打線のチームって言われてるわね」
「もう打たれたら止まらなくて守備もね」
「悪いから」
「そこから崩れやすいから」
だからだというのだ。
「問題なんだ、昔は鉄壁の守備だったので」
「その獅子の時代は」
「それが一番の長所って言われてたのが」
「今は守備が一番駄目なの」
「そうなってるからね」
「昔より強くないのね」
「阪神が羨ましいかもね」
咲にこうも言った。
「あそこ守備が悪い時はあっても」
「阪神ピッチャーは何時でもいいのよね」
「先発名が継ぎ抑え全員揃うよね」
「不思議とね」
「あそこピッチャーが弱い時って」
その時はというと。
「日本一になった時位だね」
「あの時は弱かったの」
「けれどそれ以外の時は」
「伝統的にいいのね」
「悪い時って小山さんも記憶にないよね」
「あそこが一番点取りにくいわ」
咲は彼にヤクルトファンとして答えた。
「本当にね」
「西武ファンから見てもそうだよ」
「交流戦でよね」
「チーム防御率十二球団一は伊達じゃないよ」
尚打率もそうでありチーム本塁打も得点も十二球団一である。しかもエラーは最少というから無敵である。
「強いよ」
「そうよね」
「先発誰もしっかりしてて」
「その時点でも点取りにくいのに」
「中継ぎ抑えなんて」
それこそというのだ。
「個性派揃いでね」
「一人一人打つのが辛くて」
「それでよね」
「六回までに何とかしないと」
「勝てないのよね」
「ほぼ点取れないから」
「あれは凄いよ」
咲に唸って話した。
「阪神投手陣は最強だよ」
「セリーグファンの気持ちわかるでしょ」
「巨人だったら」
球界の癌いや戦後日本の邪悪の象徴にして全人類の永遠にして普遍の敵であるこのチームはというと。
「一試合十点はね」
「普通に取れるのよね」
「あそこ弱いから」
だからだというのだ。
「楽勝って感じなのに」
「それがよね」
「阪神だと」
「一点すらね」
「取るのが難しいから」
だからだというのだ。
「毎年日本一なのもわかるよ」
「ええ、今の阪神は無敵よ」
「十連覇もしそうだね」
「そうね」
「巨人はもう十五年連続勝率一割台で最下位だけれど」
「あそこは本当に弱いわ」
「粕だね」
彼は巨人をまさにその通りだと言い切った。
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