第四百八十四話 呉越同舟に非ずその十一
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「スサノオの行動は色々あるにしても」
「楽しむ為ならね」
一子も言ってきた。
「色々してそれで手駒は完全に切り捨てかっていうと」
「そうでもないんだな」
「妙なところが多いね」
「矛盾してるんじゃないかってところもな」
「そうよね」
「人間には矛盾が常です」
内海が言ってきた。
「そしてです」
「スサノオもなんですね」
「そうなんですね」
「そうかと」
こう言うのだった。
「矛盾は人にとっては当然であり」
「スサノオでも同じですか」
「スサノオは神ですが」
それでもとだ、内海は大和に話した。
「しかし心は確かにあります」
「そのことは間違いねえな」
「そうね」
杏子もマミも同意だった。
「これまでのスサノオを見ていたら」
「どう見ても心はあるな」
「相当ひねくれてますけれど」
歩はスサノオの性格をこう表現して述べた。
「心は存在しますね」
「そのことは間違いないですね」
「はい」
歩は今度は一言で答えた。
「人間の心でないにしても」
「心は確かに存在しているのです」
「それなら矛盾もですか」
「存在しています」
内海は歩に述べた。
「そして心がある存在なら」
「相反するものを同時に持っていますか」
「そして矛盾しているのです」
「そうなんですね」
「ですから矛盾は当然としてです」
「スサノオにも存在していますか」
「そうです。矛盾を持っていない心ある存在なぞ」
それこそというのだ。
「この世に存在しません」
「心はそうしたものですか」
キンジは内海の言葉にそれはという顔になって述べた。
「そうですか」
「私はそう考えています」
「矛盾を抱えている存在でもある」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうしたものであります」
「確かにそうしたものでやがりますね」
アニェーゼは内海の意見に同意であった、しきりに頷きそのうえでさらに言った。後ろにはルチアとアンジェレネもいる。
「私達にしても」
「そう言われると」
「まさに」
そのルチアとアンジェレネも続いた。
「そうね」
「ええ、誰もが矛盾を抱えているわ」
「むしろ矛盾を抱えていない方がおかしいと言われたら」
小鳥も言った。
「まさにそうですね」
「ううむ、そうした意味でわらわ達とスサノオは同じか」
クーベルも考える顔になって述べた。
「そうなるか」
「はい、スサノオの心は人間の心ではないですが」
内海はクーベルにも述べた。
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