「逆」ナインチンゲール効果
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士団の中でもかなりの古参メンバーだ。その俺の記憶にも過去にこうしてヒースクリフ団長が自ら決闘を願い出るなんてことは一度も無かった。その逆はかなりの数あるが。
「さあ……見当がつかないな」
「そっか…お前でそうなら他に聞いても無駄だろうな」
「それは幾らなんでも買いかぶり過ぎですよ副団長」
「謙遜するな、お前は『笑う棺桶』を潰した最大の功労者だろ?」
「あれは偶然に当てずっぽうが当たっただけです……」
コイツは褒められるとむしろ恥ずかしそうに縮こまるのだが俺の言っている事は事実だ。何も過大評価はしていないつもりで言っている。アスナだって俺に賛成するだろう。このロイドと言う少年は向こうでは探偵でもやっていたんじゃないかと思うほどある一点を除いては敏感だ。その洞察力と推理力は血盟騎士団の立派な武器だと言える。ただし、たったある一点について鈍感なだけで恐ろしく罪深いと言うのもまた事実なのだが。
けどそんなロイドでも心当たりが無いのなら……これ以上考えても無駄、と言う事だろう。
「で、その決闘は何時やるんだ?」
今考えるべきはアインクラッド最高クラスのレベルであろうその決闘をこの目でしっかり見ることだ。
どうやらまだやるとは決まってなかったらしい。今アスナとキリトがきてそんな事をしても無駄だと説得をしに来たとの事だ。興味本位で俺はその直談判の様子を見に行く事にした。
「だからって俺まで連れてくる事無かったでしょう……」
アインクラッド最強のトンファー使いを引き連れて。
「いいじゃん暇だろ?少しは付き合えよ」
「はぁ……」
その会議は俺とロイドを含めた七人で行なわれる様だ。俺とロイドは入口から入って左側の二席に座った。そして俺達の真ん中にには勿論団長であるヒースクリフがいる。席に座ってからは静かに主役の二人を待つ事にした。
やがてブーツの足音が聞こえた、アスナだ。一瞬こちらを見てびっくりしたような顔になったが直ぐにきりりとした顔に戻ってその口火を切った。
「お別れの挨拶に来ました」
かすかに苦笑する気配がした。
「そう結論を急がなくてもいいだろう、少し彼と話をさせてくれないか?」
その言葉が言い終わるのとほぼ同時に一人の少年がアスナの横まで歩いてきた。キリトだ、流石の彼もヒースクリフの前では緊張を隠せないらしい。
「君とボス攻略以外の場で会うのは初めてだったかな、キリト君」
そしてヒースクリフはキリトと話し始めた。戦力の価値、主力メンバーであるアスナを引き抜かれる意味云々。そして最後にその目を開いてキリトを見据えた。
「欲しければ、剣でー二刀流で奪い給え。私と戦い、勝てばアスナ君を連れて行くがいい。だが、負けたら君が血盟騎士団に入るのだ」
その声を聞いてキリトは黙った。アスナは代わりに尚も言い募ろ
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