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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
鬱憤-ばいがえし-
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の部下に戻るなんてそれこそ逆戻りだ。死んでもゴメンだね。」
「…。」
たまに、大和くんは言う。
私のおかげ…宮本武蔵がいてくれたからこそ自分は大きく変わることが出来たと。
でも、変われたのは大和くん自身の力だ。私は何もしていない。
稽古に付き合って…一緒にいて、
ただ、それだけだ。
死ぬ間際に言った彼の願いも、まともに叶えられない、
サーヴァントは守るのが役目ですと豪語しておきながら、今回はなんてザマだ。
白い髪だからこそ、滲んでいる血が余計に痛々しく感じる。
大和くんは今のままでは武蔵のマスターに相応しくないなんて言っているけど、私は逆だ。
今こうなった大和くんに、私は相応しいのだろうか?
そう、思うようになっていた。
?
「如何ですか?置鮎隊長。」
「”馬鹿”…としか言いようがない。相手は人間だが支部をいくつも潰してきた危険人物だ。それなのに無策に掴みかかろうとする馬鹿がいますか?あ、いましたね。」
馬で逃げゆく大和と武蔵を双眼鏡越しに見ながら財団お抱えの傭兵である置鮎 啓はそう言い放った。
「しかし置鮎隊長…代表は山本隊長の部隊との合同作戦と仰ってましたが、良いのでしょうか?」
同じく双眼鏡を持って様子を見ている実働部隊の一人がやや申し訳なさそうに聞くも、彼はフンと鼻で笑ってからバカにするように答える
「どの程度か実力を見たかったのでね。宮本武蔵というサーヴァントが私のセイバーと刃を交える資格があるかどうか、あの山本にはそれを見定めるための犠牲になってもらいました。」
宮本武蔵、そして竜胆大和の噂は聞いている。
しかし強いとはいえ、自分のサーヴァントを出すまでの価値があるだろうかと、彼は思ったのだ。
山本部隊は人間だが、場合によっては複数のサーヴァントを制圧するほどに洗練された指揮と連携能力を見せる。
まぁ、相手を見るにはうってつけだろうと思い、彼は山本を先に行かせたのだ。
「あの山本部隊を退け、さらには両腕を失わせるという重傷まで負わせた。なら、ここからは私達の出番ということです。それにね、」
「それに…?」
置鮎は踵を返し、輸送車に向かいながら話を続けた。
「私はあいつが嫌いなのでね。あわよくばあの危険人物共に殺してもらいたかったくらいには。」
そうして輸送車付近に待機していた自分のサーヴァントの肩に手を乗せ、自分達が出ることを伝える。
「やれる?セイバー。」
「はい。マスターの仰せのままに。」
相手は分かった。なら、ここは自分達がそれを斬る。
さらに相手はセイバーときた。自分のセイバーとどちらが強いか試してみたい。
いや、もう既に勝敗は決まっている。
ならばこれは、自分のセイバーが最強であることを証明する
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