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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
鬱憤-ばいがえし-
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を避け、接近して斬ろうとしたが…。

「動くな。女。」

その声で、私はぴたりと止まった。

「…宮本武蔵って名前があるのだけれど?」
「女は口答えをするな。男の言うことハイハイ聞いて、黙って茶を汲んでりゃいいんだ。ったく困った困った…サーヴァントの女ってのはどいつもこいつも武器を振り回すという慎ましくない、野蛮な感じだなぁ。」

声の方を向けば、こちらに見せつけるように大和くんの胸ぐらを掴み、眉間に拳銃を突き付けているやつの姿が。

「これを見れば、俺がどうするか分かるな?え?」
「動けば殺す。そういう事でしょ?」
「理解力のある頭のいい女で助かるなぁ。さて、交渉だ。」

銃口をゴリゴリと押し当て、山本は大和くんに言う。

「お前のサーヴァントを代表が欲しがっている。渡せ。」
「…断る。」
「変わっちまったなぁ竜胆…俺の言うことは絶対聞いていたのに…俺は元上司として悲しいよ。」
「だまれ…お前の言うことハイハイ聞いてるだけの都合のいい奴隷になるのは…もうたくさんだ。」
「減らず口を…叩くなぁっ!!」

片手で今日に銃を持ち替え、グリップで大和くんの頭を殴り付けた。

「おい竜胆。お前何か勘違いしてないか?」
「なんの…ことだ?」
「何をイキっているのかは知らんがなぁ、俺は上司だ。言葉遣いを直せ。尊敬するべき恩師だぞ。お前は恩を仇で返すのか?」
「さぁな…仕事では少しのミスで殴って怒鳴り、酒の席ではくだらない武勇伝と説教を延々と聞かされ、休みの日には行きたくもない付き添いに転売のお手伝い…。恩になるような事をされた覚えがないな…。」
「それが恩だと、言っているんだァッ!!」

ゴツっ、ゴツっ、ゴツっと
グリップで殴られ続ける大和くん。
いつしか血が滲み、口の中が切れたのか吐血していた。
さらに、顔中アザだらけになっている。
もう、我慢できない。
マスターをここまでボコボコにされて、動くなという言いつけを守るほど私は利口なサーヴァントでは無いのだから。

「ッ!!」

走る。
それに気付いて実働部隊達は一斉に銃を向けるも気にするもんか。
狙うは山本という男の首のみ。

「どうだ?気が変わったか竜胆。サーヴァントを渡し、財団に入社するというのならまた部下として可愛がってやる。代表とかけあい、それなりにいい待遇にもさせてやるぞ?どうするんだ?ん?」
「…。」

首までもう少し、その時だった。

「ぷっ、」
「………。」

今までされるがままだった大和くんが、行動を起こした。

「お前ぇ…!これはなんだァ…!!!!」
「分からないか?断るって意味だよ。」

大和くんの返事、それは血の混じった唾を顔面に吐きかけることだった。

「俺は変わることにし
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