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八条学園騒動記
第六百四十五話 牛達と共にその二

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「肥料ももたらしてくれます」
「現に今いる彼等も」
 セーラは周りでごく自然にくつろいで寝転がったり人と人の間を何でもない様に歩いている牛達も観つつ話した。
「糞をすれば」
「それがすぐに回収されてです」
「肥料になります」
「肥料ももたらしてくれる」
「実に有り難い存在です」
「その牛を殺し」
 そしてとだ、ラメダスは話した。
「食するなぞ」
「何と恐ろしいことか」
「他の教えの人達がそうしても構いませんが」
「住んでいる世界が違うのです」
 セーラは知的な声で答えた。
「それではです」
「とやかく言ってはならないですね」
「そうです、世界が違えば」
 それならというのだ。
「倫理観も違います」
「何もかもが」
「ですから」
「言わないことですね」
「彼等がビーフカレーを食べ」 
 そうしてというのだ。
「ステーキを食べても」
「それでもですね」
「他の世界でのことです」
「ヒンズーのものではない」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「言ってはなりません」
「食べるな等と」
「そうです、他の教えは他の世界のことであり」
「我々とは関係ないですね」
「ですから言うこともなく」
 そうしてというのだ。
「ましてや争うことはです」
「ないですね」
「絶対に」 
 そうしてはならないというのだ。
「決して」
「それが文明人ですね」
「その点連合でもエウロパでもです」
 いがみ合う二国でもというのだ。
「そうしています」
「左様ですね」
「彼等もそうしていますし」
「我々もですね」
「そうしなければなりません、私達は牛を食べない」
 決してというのだ。
「それでいいのです」
「左様ですね」
「ですから」
「今周りで多くの人が食べていても」
「関係のないことです」
 自分達にはというのだ。
「それも全く」
「その通りですね」
「関係があることは」
 それは何かというと。
「今はカリーを食べる」
「そのことですね」
「今宵のそれを」 
 夕食であるそれをというのだ。
「それが重要です」
「そうですね」
「それでなのですが」
 セーラは問うた。
「今宵のカリーは何でしょうか」
「カレーです」
 ベッキーが答えた。
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