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八条学園騒動記
第六百四十五話 牛達と共にその一

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               牛達と共に
 キャンプファイアーの周りには学園の生徒達だけがいる訳ではなかった。そこには牛達もいてくつろいでいた。
「モォ〜〜〜」
「モォ〜〜〜」
「マウリアの牛か」
 生徒達はその牛が何なのかもう知っていた、それで言うのだった。
「ナチュラルにいるな」
「本当にな」
「別に暴れないからいいけれどな」
「凄い光景だな」
「牛が学校の中に平気でいるとかな」
「マウリアみたいだな」
「マハラジャタウンみたいだな」 
 こう言いながら牛達を見ていた、そしてだった。
 ラメダスはその牛達を観つつ自分の前で席に座って紅茶を飲んでくつろいでいる自身の主セーラに言った。
「落ち着きますね」
「はい、牛達もいますと」 
 セーラはラメダスに微笑んで応えた。
「非常にです」
「そうなりますね」
「牛は偉大です」
 そうした生きものだというのだ。
「その中に多くの神が存在している」
「神聖な生きものです」
「その牛達も共にいれば」
「落ち着きますね」
「これ以上はなく」
「牛は人と同じですね」
 ベッキーも言ってきた、見ればラメダスと同じくセーラの横にいる。
「まさに」
「はい、人も神聖であれば」
「牛も然りです」
「ですから大事にせねばならず」
 そうしてというのだ。
「見ていますと」
「落ち着きますね」
「そうですね、ですから」
 セーラはさらに話した。
「私達は決してです」
「牛は食べないですね」
「それはしてはいけないことです」
 宗教的な戒律としてだけでなく感情としてもというのだ。
「この様な生きものを食べては」
「マウリアの者ならそう考えますね」
「普通に」
 まさにというのだ。
「そう考えます」
「左様ですね」
「カレーにしましても」
「ビーフカレーは」
「あれはありません」  
 決してというのだ。
「私達にとっては」
「牛を食べるなぞ」
「それはです」
「考えることすらです」
 その時点でというのだ。
「ありません」
「牛は乳を与えてくれます」
 ラメダスは述べた。
「そして畑仕事も手伝ってくれます」
「機械もありますが」 
 この時代の農業ではとだ、セーラは話した。
「ですがそれでも」
「はい、牛が手伝ってくれますと」
「機械では出来ないこともです」
 このこともというのだ。
「非常にです」
「多くしてくれます」
「草を食べて刈ってもくれます」
「そのことも有り難いです」
「糞もして」
 ラメダスはこちらの話もした。
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