第八話 悪い男の見分け方その十三
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「それで悪いと思わないから」
「問題外ね」
「自分の責任理解しない人は論外よ」
「何しても悪いって思わないから?」
「ええ、だからね」
「惚れたら駄目ね」
「幾らお金と地位があっても」
それでもというのだ。
「けれどね」
「そういう問題じゃないのね」
「どうせそういうのも無駄遣いするから」
「するの」
「お金なんてあっという間になくなるわよ」
これだけなくなりやすいものはない、美奈代は自分にも言い聞かせながら富美子に真剣な声で話した。
「それで地位もね」
「どんなものでも」
「転げ落ちるわよ」
「そう言われると平家物語みたいね」
「それ事実だから、奢る平家はっていうでしょ」
「久しからずね」
「そうよ、権力を握っても」
それでもというのだ。
「あまりにも無能だったり滅茶苦茶だとね」
「権力の座から落ちるのね」
「落とされるわよ」
「人になの」
「そう、社長の座を争うとかあるでしょ」
「ええ、よく聞くあね」
「家元の座でもね」
権力の座は色々だ、一口にそう言ってもそれぞれの場所で存在しているものだ。人の社会があればそこにあると言っていいだろうか。
「兎に角そこでね」
「無能だったり出鱈目だと」
「蹴落とされるわよ」
「そうなるのね」
「有能だからトップ、権力の座に就けるのよ」
「お飾りでも?」
「今言った通りよ」
まさにというのだ。
「お飾りでもよ」
「ある程度の能力があってこそね」
「全くの無能だとね」
「お飾りも出来ない」
「そう、立場もね」
「ある程度有能ならで」
「しかも性格に問題があったら」
それならというのだ。
「同じよ」
「そういうことね」
「そう、だからお金や立場でね」
「人を見ないことね」
「無能だとすぐに失うのよ」
そうしたものもというのだ。
「屑なら余計によ」
「屑はお金と権力があっても付き合うな」
「どうせ失うからね、三国志の劉禅さんの話をしたけれど」
美奈代はさらに話した。
「董卓さんはどうだったかしら」
「呂布さんに殺されたわね」
富美子は冷たい目で答えた、答えつつビールを飲んだ。
「そうなったわね」
「あの人は能力はあったけれどね」
「無茶苦茶やってたでしょ」
「酒池肉林で暴虐三昧で」
「そんな風だったからね」
三国志演義一の悪役と言っていいが史実においてもその暴虐はかなり書かれている。ただし事実かどうかはわからない。史書に書かれていることが全て事実とは限らないのも人類の歴史というものなのだ。
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