第11話『襲撃』
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ー…きて…さい
この声は……
−−−起きてください、先輩
「……立奈?」
「はい。おはようございます、先輩」
目を開けて声の主を呼ぶと、少し不安気な顔で覗き込んでいた立奈が微笑を浮かべる。
「意外とお寝坊さんなんですね。皆さんもう起きてますよ」
「あぁ……わかった」
まだぼんやりとする頭を振りながら体を起こす。立奈の言うように、輝橋や立石はもう準備を始めているようで、リビングからは立石が鉄脈術を行使する気配が感じられた。
「私も戻りますね。菜穂ちゃんのお手伝いしないと」
長谷川……はキッチンか。どうやら朝食の準備をしているらしい。
この様子だと本当に玲人が最後のようだ。……いや、正確には如月はまだ寝てるようだがいつものことなので数には含めない。
さっさと支度して合流しよう。
「あ、おはようございます」
「おっは〜草場。草場も探索班だけど武器いる?」
「いらん。役に立たんし荷物になる」
「おけ〜」
二人は探索、哨戒、下山のそれぞれの班の荷物を整理しているようだ。迅速に動けるように最小限に。残った荷物は解決後改めて取りに来ることになる。例えば輝橋の持ってきたゲーム類は真っ先に部屋の隅に追いやられていた。
天野と武蔵野先生が女性側の荷物整理、立奈と長谷川が朝食の準備、あとは……
「燕さんは?」
「素振りしてくるってさ」
「……大丈夫なのか?」
「朝イチで飛んでみたけど怪しいのは見かけなかったよ。表出るだけだしへーきへーき」
「そうか」
「あ、最後草場君の私物の整理お願いできますか?何か持っていきたいものがあればこっちに纏めといてください」
「わかった」
立石に言われて自分の分の荷物の整理を始める。といっても元々多くもないし、持っていくべきものも対してない。ほとんどの荷物が置いていかれることになる。
「大翔〜ご飯できたから机空けて〜」
キッチンから長谷川の声が聞こえてくる。こちらの整理もちょうどひと段落ついたところだ。2人と顔を見合わせると、特に言葉を交わすこともなくやることが決まる。
輝橋は言われた通り机の上を片付け、立石は寝室で整理をしている2人を呼びに行き、玲人は表の燕に声をかけて朝食の時間となった。
さて、朝食をとり終わるといよいよ行動開始となる。下山の準備を進める立石たちを尻目に、玲人と燕、輝橋は虎徹山の地図を取り囲んでいた。
「ここが現在地。で、ここが昨日皆が襲われた場所だね」
「俺があの男を見たのはここだ」
「ふむ……その後こちらの方向に向かっていったと」
「で、楔の石を見たのが大体……この辺り」
「……方角は一致しているな」
昨日の出来事を地図上に書き込んでいく。玲人の見た石碑
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